1728年にロンドンでヒットしたジョン・ゲイ作『乞食オペラ(The Beggar's Opera)』をベースに描かれた音楽劇。1928年、ベルリンのシッフバウアーダム劇場の?落し公演として開幕、ヨーロッパ中を席捲する大ヒット作となった。

宮田慶子芸術監督5年目のシーズン、幕開けを飾るのはベルトルト・ブレヒト作、クルト・ヴァイル作曲による傑作『三文オペラ』です。2つの世界大戦を経て、混乱の中にあった欧米で「異化効果」をはじめとする様々な演劇理論を生み出し、当時の演劇界において大きな影響力を持った巨匠ブレヒトの代表作を、「JAPAN MEETS… ─現代劇の系譜をひもとく─」シリーズの第九弾として上演します。
ブレヒト研究の第一人者である谷川道子による新翻訳を、宮田慶子が演出し、猥雑で乱暴で、けれども愛さずにはいられない魅力にあふれた登場人物たちの悲喜こもごもを描き出します。主役メッキースには、2012年『るつぼ』で難役のプロクターを見事に演じきり、今回音楽劇に初挑戦となる池内博之、相手役ポリーには、数々のミュージカルに出演し、現在はNYでさらに研鑽を積んだソニンが、5年ぶりに新国立劇場に出演します。ほかにも石井一孝、大塚千弘、島田歌穂らミュージカル界のスターと、あめくみちこ、山路和弘ら演劇界の実力派俳優たちの共演にも注目です。
※本作品は生演奏による上演です。
19世紀、女王の戴冠式間近のロンドン。稀代の大泥棒メッキースはロンドン随一の色男。乞食達の総元締め「乞食の友商会」社長・ピーチャムの娘ポリーと結婚式を挙げることに。怒ったピーチャムは警視総監・ブラウンに彼の逮捕を要求する。メッキースの長年の親友でもあるブラウンは、悩みながらも彼を追うことに。
昔なじみの娼婦・ジェニーの元に身を隠すメッキース。ブラウンの娘ルーシーにまで手を出していた彼は、とうとう女たちの裏切りに遭い……。