Storyものがたり
日本のどこかの島の拝所(うがみじょ)。年に一度の神事の日。折しも村長選挙と重なり、その演説が風に乗って聞こえている。
世話役の「おばさん」とその「娘」が準備に明け暮れている。「娘」は最近、嫁ぎ先から離婚して島に戻ってきたらしい。「おばさん」はそれを嘆いているのだが、「娘」はどこ吹く風。そこに「村長の娘」が加わって、あれこれと差配を始める。「村長の娘」は今回の選挙では、父親が負けるわけにはいかないと気合も十分だ。やがて、「若い子」が現れる。いつものお手伝いのおばあが怪我をして、その代理で派遣されたのだ。島民も高齢化で、「若い子」のような外部からの移住者に頼らないと、日常生活もままならない。
準備が進むなか、「区長の嫁」が、神事の取材を希望するテレビ局の「東京の人」を連れてくる。「区長の嫁」は村の活性化の一助になれば、と撮影の許可を出したと説明するのだが、今回の選挙は区長が対立候補として立候補しているので、「村長の娘」は区長の一存で決めることではない、と一蹴。対抗意識を剝き出しにする。
そうこうするうちに、神職の「司さま」が登場。次々に準備の不手際を指摘し、一同、慌てふためいて準備を整え、なんとか神事が始まるのだが......。