カリキュラム

国内外の一流講師陣を中心に、研修生一人ひとりの声種に合ったレパートリーを選定し、アンサンブル・レッスンと個人レッスンとをバランスよく取り入れた研修を行います。また、演技の基礎や発声法の指導の他、オペラ歌手に不可欠な教養を身に付けるための多様な講義や、作品の理解と歌唱に必要な諸外国語修得のための授業も並行して実施しています。

実演の機会として、毎年夏に「試演会」と、秋には歌唱コンサート「Le Promesse」、年度末に「修了公演」を実施しています。試演会は、小劇場などの小さなステージで、オペラ全曲をピアノ伴奏で上演します。「Le Promesse」(イタリア語で「約束された者たち」の意)では、各研修生がじっくりと仕上げたオペラアリアや重唱、歌曲などをコンサート形式で上演。修了公演では、中劇場などの大きな舞台で、オペラ全曲をフル・オーケストラの伴奏で本格的に仕上げます。

劇場付属の研修所であることを活かし、主催公演の稽古や本番の見学、主催公演出演歌手・スタッフによる特別講義の開催など、オペラ界の最新情報に触れる機会が多くあることも大きな特色です。

カリキュラム詳細

三本柱を極める

I「音楽」を進化させる

アンサンブル/シーンスタディ

アンサンブル/シーンスタディ

オペラ歌手として必要不可欠な「アンサンブル感覚」を鍛えるため、研修生は各自音楽的予習を済ませた上で、早い段階から指揮者によるアンサンブル稽古、さらに演出講師を交えたシーンスタディに臨みます。

レパートリーレッスン

レパートリーレッスン

アンサンブルで学ぶ研修公演の演目とは別に、研修生個人がレパートリーとして持つべきオペラ作品を選び、音楽主任講師と常任のコレペティトゥアの指導により、年1本のペースで全曲を仕上げます。

II「身体」を鍛錬する

基礎演技

基礎演技

オペラ歌手には、一般的な演技力の域を超えて、歌と芝居が一体となった表現が求められます。ここでは演出講師による実践的な指導により、奥の深い表現方法の技術を学びます。

ボディ・コンディショニング

ボディ・コンディショニング

関節や筋肉を柔軟に保つ「ボディ・コンディショニング」を取り入れています。

バレエ/ダンス

バレエ/ダンス

体幹を用いた美しい身のこなしを体得し、またオペラ作品ごとに求められる時代に合った所作、お辞儀の仕方やワルツのステップなど、必要な身体表現を学びます。

日本舞踊

日本舞踊

和の心を体現する日本舞踊は世界にも通用する日本の伝統芸能です。
日本人オペラ歌手としての優美な所作を体得するため、師範による指導を初歩から受けています。

III「語学」を充実させる

現代のオペラ制作の現場においては、演唱に用いられるイタリア語、ドイツ語等のネイティブレベルでの習得は言うに及ばず、世界の様々な国から集う歌手や音楽スタッフとのコミュニケーション手段として、英語が欠かせません。当研修所では各研修生のレベルに応じたカリキュラムを組み、常に外国語と接している環境を整えています。

語学

本物の舞台で、輝く ―舞台実習―

オペラ試演会(7~8月)

カリキュラム前期(4月~7月)には、その年に入所した新入生も含めて、まず一本のオペラ作品に取り組みます。ステージも小さく伴奏はピアノのみ、という形式で、オペラ歌手として舞台に立つことを体で覚えていき、一つのレパートリーとして完成させます。

オペラ試演会

歌唱コンサート「Le Promesse」(秋~冬)

カリキュラム後期の前半(9月~秋頃)には、研修生各自が自身のレパートリーとなるオペラ作品やアリアについて研究を深めます。その発表の場として、秋から冬にかけてコンサート形式による演奏会を開催します。

オペラ試演会

修了公演(2~3月頃)

カリキュラム後期の後半(秋~2月頃)になると、研修生は1年の総まとめとして一つのオペラ作品の役どころと正面から向き合い、その完成のために全力で取り組みます。3年目の研修生にとっては、この「修了公演」がプロのオペラ歌手としての実質的なデビュー作でありその後の歌手活動に大きく影響する大切な舞台となります。

修了公演

本場に、赴く ―海外研修―(2年次以降実施予定)

オペラという文化の発祥の地で、その歴史的空間に実際に身を置いて学ぶことの意義は大きく、研修生にとっては自らがオペラ歌手を目指した理由を再認識できる、格好の機会となります。当研修所では、2016年度より在所中に2回の海外研修を実施。また、全日本空輸株式会社と新国立劇場によって、オペラ研修生の海外研修を中心に総合的にサポートをする「ANAスカラシップ」が創設されました。