ラインの娘たちが川で戯れていると、地下に住むニーベルング族のアルベリヒがやってくる。アルベリヒは娘たちをものにしようと必死に追いかけるが、彼女らは醜い彼をからかって逃げてしまう。激怒したアルベリヒは川底に光るものを見つける。それは娘たちが守るラインの黄金。愛を断念した者だけが黄金から指環を作ることができ、その指環を手にした者には世界を支配できるという。それを聞いたアルベリヒは愛を呪い、黄金を奪う。
フィンランド国立歌劇場公演より©Heikki Tuuli神々の長ヴォータンは、巨人族のファーゾルトとファフナーの兄弟にヴァルハル城を建てさせていた。報酬に青春の女神フライアを渡す契約なのだが、ヴォータンは契約を守る気などない。この契約を提案した火の神ローゲを責めると、彼はラインの黄金の指環の話を始める。皆が聴き入り、巨人族兄弟は、報酬は指環でよい、と言い出す。ヴォータンも指環に興味を持ち、フライアを人質として兄弟に渡し、ローゲと共に地下のニーベルハイムへ行く。
フィンランド国立歌劇場公演より©Heikki Tuuli地下の世界では指環の力を手に入れたアルベリヒがニーベルング族を支配し、黄金を掘り出させていた。彼はまた、弟ミーメに作らせた「隠れ頭巾」を持っていた。ヴォータンらは「隠れ頭巾」を褒めそやし、彼が蛙に化けた隙に捕まえ、財宝と指環を奪ってしまう。怒ったアルベリヒは、指環を持つものには死が訪れる、と呪いをかける。
フィンランド国立歌劇場公演より©Karan Stukeヴォータンは、巨人族兄弟に報酬として黄金を渡すが、彼らは「隠れ頭巾」と指環も要求。指環については渋るヴォータンだが、「指環の呪いから逃れよ。神々の黄昏が近づいている」との智の女神エルダの忠告を聞き、指環を渡す。すると兄弟は指環の奪い合いになり、ファフナーはファーゾルトを撲殺。さっそく指環の呪いがあらわれたのである。そしてヴァルハル城は完成し、神々が入城する。ラインの娘たちの嘆く声が響いている......。
フィンランド国立歌劇場公演より©Karan Stuke