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10名以上でご観劇の場合は新国立劇場営業部(TEL 03-5352-5745)までお問い合わせください。
「ニーベルングの指環」は、ドイツ・オペラの巨匠リヒャルト・ワーグナー(1813年〜1883年)が26年にわたる歳月をかけて創りあげたオペラ史上最大級の作品。ドイツの叙事詩『ニーベルンゲンの歌』や北欧神話を題材として、台本もワーグナー自身が手がけた。全体は、序夜『ラインの黄金』、第1日『ワルキューレ』、第2日『ジークフリート』、第3日『神々の黄昏』の4部から成り、上演に4日間、延べ約15時間を要する。全体を通して多数のライトモティーフ(示導動機)が使用されており、長大な作品全体に統一感を与えている。物語は、権力の象徴である黄金の指環をめぐって、神々と人間が三世代に渡って争いを繰り広げ、最後に世界が崩壊するまでが描かれる。
ワーグナーはこの「ニーベルングの指環」の理想的な上演のためにバイロイト祝祭劇場を建て、毎夏開催されているバイロイト音楽祭は、ワグネリアン(熱狂的なワーグナーファン)の聖地とされている。世界中の歌劇場にとって、「指環」の上演はチャレンジングな取り組みであり、新国立劇場では、2001年〜2004年、2009年〜2010年に上演し、今回は新たに新演出での3度目の「指環」上演となる。
全体のプロローグ。ラインの黄金から作った指環の持ち主には無限の権力が与えられる。ニーベルング族のアルベリヒが愛を呪い指環を手に入れ、主神ヴォータンが指環をアルベリヒから奪い、ヴァルハル城の報酬として巨人族に与えるまでが描かれる。ラストの「神々のヴァルハルへの入城」は、圧倒的で雄大な音楽による名場面だ。
ヴォータンと人間女性の間に生まれた双子の兄妹、ジークムントとジークリンデの悲恋、ヴォータンの愛娘ブリュンヒルデの父への反抗と別れなどが描かれる。全体の中でも最もポピュラーな作品で、有名な「ワルキューレの騎行」は第3幕冒頭の音楽。第1幕、第3幕は単独でコンサートなどで上演されることも多い。
双子の兄妹の間に生まれた恐れを知らない英雄ジークフリートの成長と冒険物語。ジークフリートは大蛇を退治し、炎を乗り越え、ブリュンヒルデを口づけで目覚めさせる。ジークフリート役は、ワーグナーのテノールの役の中でも難役中の難役。
アルベリヒの子ハーゲンの謀略により、ジークフリートは殺害される。ブリュンヒルデは指環をラインの娘たちに返し、ヴァルハルは崩壊する。「ジークフリートの葬送行進曲」、「ブリュンヒルデの自己犠牲」などは、締めくくりの作品に相応しい壮大な聴きどころ。