「Try・Angle-三人の演出家の視点-」シリーズ第二弾は、クリストファー・マーロウ作『エドワード二世』。2011年、『ゴドーを待ちながら』でその演出力を高く評価された森 新太郎が、イギリス・エリザベス朝演劇の代表的作家、マーロウの作品に挑みます。
エドワード二世の寵愛と権力をめぐっての熾烈な争い、裏切りと復讐を残酷に描いた本作は、英国を中心に非常に人気が高く、近年でも様々な解釈が加えられ繰り返し上演されている傑作戯曲ですが、日本では約半世紀ぶりの上演になります。
シェイクスピアの先鞭をつけたといわれる歴史劇を、緻密にして大胆な演出で知られる森 新太郎がどのように見せてくれるのか。シェイクスピア研究の第一人者である河合祥一郎が今回のために新たに翻訳した台本にも注目です。お見逃しなく!
実在のプランタジネット家イングランド王、エドワード二世(在位1307-27)の起伏に富んだ激しくも短い生涯を描いた歴史劇。
父王の死後、エドワード二世は貴族たちの助言にも関わらず、フランス人騎士ギャヴィストンを異常なほど寵愛し、多くの役職や地位を授ける。これが先王からの腹心の家臣たちより反感を買うこととなり、ギャヴィストンは追放される。
エドワード二世は王妃イザベラの自分への愛情を利用しギャヴィストンを呼び戻すが、その後もエドワード二世から真の愛情を得られないイザベラは、愛人である貴族モーティマーと謀ってギャヴィストンをなぶり殺し、王を幽閉する。二人は王子(エドワード三世)への譲位をせまる……。