『悩める劇場支配人』稽古場たより③一仲田尋一
オペラ研修所修了公演ドメニコ・チマローザ作曲、『悩める劇場支配人』。
今年の3月で3年間の研修を修了し、4月からは世界に羽ばたいていく21期生を1名ずつ紹介しています。
3人目にご紹介するのは、ドン・ペリツォニオ役の仲田尋一(バリトン)です。
仲田尋一 NAKATA Hirohito バリトン
大阪音楽大学大学院 声楽研究室・オペラ系修了。大学卒業時に優秀賞を受賞。在学時に《フィガロの結婚》アルマヴィーヴァ伯爵役、《コジ・ファン・トゥッテ》グリエルモ役、《ドン・ジョヴァンニ》ドン・ジョヴァンニ役、《魔笛》パパゲーノ役、弁者役、《ホフマン物語》ルーテル役、《サンドリヨン》パンドルフ役、《メリー・ウィドー》ダニロ役、ツェータ役、サンブリウォッシュ役、《天国と地獄》ジュピテル役で出演。在学中に江原啓之プロデュース《ジャンニ・スキッキ》グッチョ役でデビュー後、《第九》ソリストとしても活躍。
晴雅彦氏に師事。
オペラ研修所では、『ロメオとジュリエット』パリス役、グレゴーリオ役、『カプレーティ家とモンテッキ家』カペッリオ役、W.A.モーツァルト作曲『ドン・ジョヴァンニ』レポレッロ役、『イオランタ』エブン=ハキヤ役で出演。
ANAスカラシップにより、昨年度ミラノ・スカラ座アカデミーにて研修。
2019年度試演会『イオランタ』より(写真中央) YOST2020より(写真左)
舞台写真撮影:平田真璃
<仲田尋一より>
まずはこのような状況下にも関わらず公演が取り行われること、本当に感謝しております。
この場を借りて御礼申し上げます。
さて、今年度の修了公演はチマローザ作曲の《悩める劇場支配人》という日本初演のオペラです。
当時の劇場の裏側を面白おかしく描いてみんなで笑うという典型的な喜劇で、演奏時間も1時間半程なのでたくさんの方に楽しんでいただけるかと思います。
そんなオペラで今回、私が演じるのはドン・ペリツォニオというナポリの詩人です。彼は狂言回しのような言葉数とお芝居で物語を進めていくキャラクターで様々な所からとって作られたツギハギ作品の様に芯のない人間です。またこのオペラは音楽よりもレチタティーヴォがメインといっても過言ではないほど会話のシーンが多いので、唯一ナポリ語で話す私が登場人物の話を受け流す部分に注目して、笑っていただけると幸いです。
3年間学ばせていただいた集大成を皆様にお見せできるよう本番まで精進いたします。
皆様のご来場、心よりお待ちしてます。
リハーサル室での稽古の様子 (写真左)