平成21年度文化庁「舞台芸術の魅力発見事業」
新国立劇場高校生のためのオペラ鑑賞教室・関西公演

蝶々夫人

「新国立劇場 高校生のためのオペラ鑑賞教室」は、現代舞台芸術の一層の普及をめざす新国立劇場が、次の世代を担う青少年に優れた芸術を鑑賞する機会として平成10年度より毎年開催しています。高校生を学生扱いせず、一般のお客様と全く同じスタイルで名作オペラを全曲鑑賞していただくというコンセプトが大変ご好評をいただいております。
平成20年度より新たに関西公演が開始され、東京公演、関西公演あわせて1万3千人の高校生が「本物の芸術」である本公演でオペラデビューをいたしました。

ものがたり

【第1幕】1900年代の長崎。米国の海軍士官ピンカートン(T)が結婚斡旋人のゴロー(T)と2人で花嫁を待つ。領事シャープレス(Br)が彼の軽率な心を諌める。親戚たちを連れて蝶々さん(S)が登場、身の上話のなかで「昨日一人で教会に行きました」と語る。結婚式が終わると、僧侶のボンゾが激怒して現れ、彼女の改宗をなじり、人々も怒って立ち去る。ピンカートンは蝶々さんを慰める〈愛の二重唱〉。
【第2幕】帰国した夫から便りがなくても、蝶々さんはお手伝いのスズキ(Ms)の前で、彼を信じる心を歌い上げる〈ある晴れた日に〉。領事が訪ねてきて、ピンカートンからの手紙を読んで聞かせ、状況を知らせようとするが、蝶々さんが連れてきた子供を前に、何も言えずに帰る。ピンカートンを乗せた軍艦の砲声が聞こえる。蝶々さんはスズキと一緒に庭の花を集めて部屋に撒き、夫の帰りを待つ。朝になり、ピンカートンが妻のケイトと領事と共に姿を見せ、子供を引き取るため、スズキに間に入ってほしいと頼み、アリア〈さらば愛の家よ〉で後悔の心を歌う。その成り行きを知らされた蝶々さんは、絶望して、亡父の形見の短剣を取り出す。子供に〈おまえ、小さい神様!〉と切々と語りかけた彼女は、自害して果てる。

【主 催】新国立劇場/財団法人 尼崎市総合文化センター文化庁
【助 成】財団法人 ローム ミュージック ファンデーション
【協 賛】ローム株式会社