新春を彩る豪華絢爛のバレエ絵巻
広く知られたペローの童話に基づくバレエ・ファンタジー『眠れる森の美女』は、チャイコフスキー三大バレエのなかでも最もスケールが大きい作品として知られています。音楽の多彩さのみならず、登場人物の多さと舞台の豪華さは他に類を見ません。オーロラ姫の誕生から100年の眠りを経て理想の王子様とめでたく結婚するまでの物語が、さながら極彩色のバレエ絵巻のごとく踊り綴られます。最終幕でペロー童話の主人公たちが結婚のお祝いに訪れる楽しい趣向も盛り込まれ、プティパを中心として花開いた19世紀ロシア・バレエの最高峰と称されるにふさわしい格調と様式美を備えた傑作です。
新国立劇場では1997年秋の開場にあたり、本作品を世界初演したロシアのマリインスキー劇場から協力を仰ぎ絢爛豪華な舞台でオープニングを飾りました。以降、再演のたびにご好評をいただいてきたセルゲーエフ版ですが、今回の上演で早くも初演から10年目を数えてます。これまでの様々な思いを込めて新国立劇場バレエ団がお届けする極めつけの舞台。グランドバレエの醍醐味をじっくりとご堪能ください。
オーロラ姫の誕生を祝う命名式。妖精たちが祝福するなか、招待されず怒った悪の精カラボスは、姫は糸紡ぎの針に指を刺されて死ぬと呪う。そして16歳の誕生日、姫は針に刺されて長い眠りにつく。100年後、リラの精に導かれた王子の接吻で姫は目覚め、壮麗な結婚式が開かれる。