シェイクスピアの壮大な歴史劇 〜三部作一挙上演!
作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:小田島雄志
演出:鵜山 仁
第一部 主なキャスト(台本順)
浦井健治
中嶋しゅう
菅野菜保之
勝部演之
渡辺 徹
金内喜久夫
村井国夫
木場勝己
鈴木瑞穂
立川三貴
中嶋朋子
ソニン
ほか
三部作全体の主な配役はこちら
新国立劇場ならではの大型企画の登場です。鵜山仁芸術監督による3シーズン目の中心となる演目のひとつです。鵜山は就任時に4つの指針を掲げていますが、そのひとつ「大きな物語」の再生、つまり古典の読みなおしにあたるのがこの『ヘンリー六世』の上演です。
本作は15世紀イギリス史上名高い百年戦争と薔薇戦争の史実をもとに、シェイクスピアの作品中、唯一三部に渡る壮大な歴史劇。この作品の持つ普遍的な人類の愛憎、戦闘の様相と現代の我々の社会との接点を探りながら、さまざまな人間の生き様に焦点を当てる魅力的な試みとなります。公演形態も毎日日替わりで一、二、三部を上演する他、三部作の一挙上演も検討中です。
人気、実力を兼ね備えた強力なキャスト陣が集結し、今から各界の注目が集まる話題作です。
ヘンリー五世の葬儀が行われる中、この英雄の死がイングランドの暗い未来を予兆しているかのように、フランスにおける領土喪失、イギリス軍の苦戦など不穏な知らせが次々ともたらされる。国内では、グロスター公とウィンチェスター司教の反目から始まる貴族たちの勢力争いが表面化していたが、幼くして即位したヘンリー六世はうまく事態を収拾できない。武将トールボットだけが孤軍奮闘、フランス軍と果敢に戦っていたが、ランカスター家とヨーク家の対立で激化する貴族間の抗争のために十分な援軍を得られず、息子ジョンとともに壮絶な死を遂げる。一方フランスでは、天啓を受けたと称する羊飼いの乙女ジャンヌ・ダルクが皇太子シャルルのもとに現れて軍を起こし、神秘的な力によって一時はイギリス軍を圧倒する。やがて彼女は捕らえられて火刑に処せられ、フランス軍も疲弊してくると両国間に和議が講じられる。サフォーク伯は自ら捕らえたアンジュー公の娘マーガレットの美しさに魅せられ、彼女とヘンリー六世との結婚をとりもつ。