“この大人のためのおとぎ噺はまぎれもなく真実です。”
ノーベル賞作家の未完の「最高傑作」に、
フランス演劇界の鬼才ラヴォーダンが挑む!
20世紀演劇界に大きな影響を与えたイタリアのノーベル賞作家ルイジ・ピランデルロ(1867〜1936)。彼の遺作であり、未完にして最高傑作といわれる『山の巨人たち』が新国立劇場の舞台に登場します。演出にパリの名門オデオン座の前芸術監督ジョルジュ・ラヴォーダンを招き、選りすぐりの日本人キャストとの夢のコラボレーションが実現します。
『山の巨人たち』は現実と夢、人生と芸術、個人と社会、というような二項対立のコントラストが神秘的に散りばめられた大人のための“高級なおとぎ噺”です。「山」とは何?「巨人」とは誰?現実世界に絶望し山荘に隠遁する魔術師と、その館を訪れた世間から見向きもされない落ちぶれた旅の一座の交流が幻想的に、刺激的に展開されていきます。
出演は新国立劇場初登場となる演劇界の重鎮・平幹二朗、華麗な存在感をほこる麻実れいをはじめ、シュールで神秘的な舞台を創造するに最適な魅力的なキャストが集結しました。個性豊かな登場人物たちが繰り広げる演技やダンスに生演奏と、舞台芸術の楽しさをあますところなく体験できる贅沢な作品です。フランス演劇界の鬼才ラヴォーダンが日本人キャストとつくりあげるファンタジーあふれる舞台に是非ご期待下さい。
世界から隔絶した山間に建つ一軒の別荘「ラ・スカローニャ」。この別荘の主は世界に絶望し隠遁生活をおくる魔術師コトローネだ。ある日この別荘におちぶれた旅の一座がやってきた。伯爵夫人と名乗る主演女優イルセは正気と狂気を行き来している。劇団員は別荘に一夜の宿を借りた。その晩、彼らは夢の中に引きずり込まれ、幻想的な体験をする。翌朝コトローネは、劇団員たちにある提案をもちかけた。「山の巨人と呼ばれる二家族の結婚式の余興に芝居をしてみてはいかが」と・・・・。
作家ピランデルロは34年ノーベル文学賞を受賞、その2年後に他界したが、この『山の巨人』は絶筆の未完作として世に遺されたのだ。今回、演出家ラヴォーダンはどのような“終わり”をこの舞台に用意するのか。