研修所ニュース

2月修了公演『ドン・ジョヴァンニ』稽古場便り・連載②原田 奈於



修了公演ドン・ジョヴァンニ(2月23日初日)では、研修生たちが役どころに正面から向き合い、その感性に全力で取り組んだ成果をご披露します。

3年次の第22期生たちにとってはこの公演が実質的なプロの歌手としてのデビューとなり、今後の歌手活動に大きく影響する大切な舞台となります。

現在、研修生たちは公演に向けて本格的にリハーサルを重ねています。

当公演が修了公演となる第22期生たちのコメントを連載でご紹介します。
今回の登場は、原田奈於(第22期生)です。

〈皆様へのメッセージ〉

第22期生、ソプラノの原田奈於です。

 研修所に入所したのもついこの間のように感じますが、とうとう最後の公演となってしまいました。

 研修1年目の修了公演『フィガロの結婚』立ち稽古の時期にコロナが少しずつ拡がり始め、公演が急遽中止になって悔しい思いをしたのが2年前です。あの時は、まさかこんなに長い期間マスクをしたまま稽古をすることになるなんて想像もしていませんでした。

 思うようにいかず不安もあった研修生活でしたが、そのような厳しい状況の中でも、私たちの研修が少しでも充実するようにと、ご尽力くださった先生方をはじめ、周りの皆様には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。


今回の『ドン・ジョヴァンニ』も感染リスクを考え、様々な対策を講じて稽古に臨んでいます。ディスタンスを取りながら演じるのは、難しい面もありますが新たな発見もあり、とても有意義な稽古になっています。

 例えば、マスクをしているからこそ、どうしたら言葉が明確に発音できるかを工夫したり、立ち位置の距離を取るからこそ、相手とのバランスや動きを更に意識するようになりました。稽古場にも遅くまで残ることができない分、研修生同士で作品に向き合って話し合う時間も、かけがえのないものになっています。


 不自由な中でも、試行錯誤しながら皆でひとつの作品を作り上げていく過程は、本当に楽しく充実しています。私にとってこの期間に学んだ事は、これから歌手として活動する上できっと大きな財産になるはずです。


まずは無事に公演の日を迎えられますように、そしてお越しくださる皆様に、この作品の魅力をたっぷりお届けできるように精一杯頑張りたいと思います!!


原田 奈於 Harada Nao ソプラノ 【ツェルリーナ】(23日)

100原田_写真.加工済.jpg

愛知県立芸術大学卒業。同大学院修了。『イオランタ』リードコーラス、『悩める劇場支配人』フィオルディスピーナ役、『ジャンニ・スキッキ』ラウレッタ役、ゲラルディーノ役で出演。レパートリーに『フィガロの結婚』バルバリーナ。

sharadakeikoba.jpg

『ドン・ジョヴァンニ』リハーサル風景(写真右・原田 奈於)


srMAI_0860.jpg

オペラ研修生による「LE PROMESSE 2021~アリアコンサート~」(2021年11月公演)撮影:平田真璃