研修所ニュース

オペラ研修所 夏期特別講座・日本歌曲公開講座レポート



8月30日(月)~9月3日(金)の間、新国立劇場内のリハーサル室にて、永井和子オペラ研修所長による日本歌曲の夏期特別講座を実施しました。


研修生たちは、各自割り当てられた課題歌曲を研究し、講座に臨みました。

講座では、歌詞の朗読、作曲家や作詞家たちが歌曲を創作した当時の時代背景や、現代とはやや異なる言葉の解釈の研究発表を行い、研修生全員が日本歌曲についての理解を深めました。


講座最終日、他の研修生や関係者たちを前に各自が課題曲を披露しました。


一同、改めて日本歌曲の美しさや価値と向きあう、たいへん意義深い機会となりました。




t永井.jpg tsIMG_8769.jpg

永井和子オペラ研修所長と研修生たち


【永井和子オペラ研修所長のお話】


―日本歌曲を学ぶ意義-

日本歌曲を勉強することで日本語で書かれた歌詞に触れてみると、日本人にとっては母国語なので理解しやすいです。

これは日本歌曲を極めてくださいと言っているわけではなく、こうした経験をもって、オペラなどの外国のものに向かう時も、母国語で書かれた音楽だったらどういう感覚なのかという参考にしていただきたいという思いです

今回の取り組みによって日本歌曲を学んだというだけで終わりにせず、歌詞という言葉に対する向き合い方を学ぶ機会にしていただけたらと思います。


―国際的な活躍をするということの本質-

国際的な活躍の場で、日本人の感性をいかに活かせるかがとても重要です。

また、日本人の感性で見たとき、他の国の人たちには見えないことが発見できたりします。そういう感性に磨きをかけてオペラという世界に向かっていただきたいと思います。


ts原田.jpg ts前島.jpg
▲(写真左)第22期生・原田 奈於〈ソプラノ〉、(写真右)第24期生・前島 眞奈美〈メゾソプラノ〉


ts鳥尾.jpg ts程.jpg
▲(写真左)第22期生・鳥尾 匠海〈テノール〉、(写真右)第22期生・程 音聡〈バリトン〉



今回の特別講座を受けた研修生の第22期生(3年次)程 音聡からのコメントをご紹介します。

「日本歌曲は、西洋の作曲技法と日本の詩/詞の結合の産物として、世界の人々に日本語の美しさを理解してもらうことができる一つの窓です。また、日本歌曲には、とても強い文学性と芸術性を内包していると感じています。なぜなら、日本歌曲は一編の短い詩に作曲されますが、一つ一つの言葉の深い意味や物語を歌で表現するからです。

これからも探究していきたいと思います」



 

 

関連リンク