尾高忠明芸術監督による特別企画
コジ・ファン・トゥッテ<演奏会形式>

新国立劇場オペラ公演には、出演するソリストの全ての役柄にカヴァー歌手がキャスティングされています。
カヴァー歌手は、本役歌手と同様、事前の勉強をし、稽古から公演までいかなるアクシデントにも対応できるよう本役歌手の控えとしてスタンバイしますが、本役歌手にトラブルがない限り、舞台に立つことはありません。日本のオペラハウスで、日本人歌手の活躍の場は必要不可欠と考える尾高芸術監督は、日本を代表するオペラ歌手たちが、カヴァー歌手として新国立劇場オペラ公演を支えていること、そして、日本人歌手たちの実力を、観客の皆様にも知っていただくために、2011年5月の『コジ・ファン・トゥッテ』公演カヴァー歌手による歌唱の場を演奏会形式で企画しました。副題を「恋人たちの学校」というこの作品、異性に対して感情のおもむくままにしていると痛い目にあいますから、理性をお忘れなくという“教育的寓話”とも呼べる作品として誕生しました。このモーツァルトの美しいアンサンブル・オペラには、6人のソリストがみな、そろって高いレベルで優れたアンサンブルを聴かせることを求められます。尾高忠明芸術監督による特別企画『コジ・ファン・トゥッテ』(演奏会形式)にご期待ください。