ヴォツェック

  • 2009/2010シーズン
  • 2009/2010 Season Opera
    [New Production]
    Alban Berg:Wozzeck
    アルバン・ベルク/全3幕
    【ドイツ語上演/字幕付】
  • オペラ劇場

バイエルン州立歌劇場との共同制作となる本演目。2008年11月にバイエルン州立歌劇場において初演され、非常に高い評価を得ました。(☛ドイツ各紙で大絶賛
演出のアンドレアス・クリーゲンブルクは数多くの演劇作品を演出していますが、本公演の成功で、今後はオペラ演出においても重要な存在になることでしょう。歌手陣は、本演目をレパートリーとしており、本役でヨーロッパの主要な歌劇場において高い評価を得た歌手を招聘いたしました。

ものがたり

【第1幕】〈第一場〉理髪師から兵士になった30歳のヴォツェック(Br)は、上官の大尉(T)の説教を聞きながら彼の髭をそり、モラルに関する問答を繰り返す。
〈第二場〉野原。ヴォツェックは同僚アンドレス(T)と話す中で、錯乱状態の徴候を示す。
〈第三場〉ヴォツェックの妻マリー(S)の部屋。子供をあやす彼女は、隣人マルグレート(Ms)と厭味を言い合う。ヴォツェックが窓を叩く。マリーは夫の様子がおかしいのに気付く。
〈第四場〉医師(B)がヴォツェックを使った実験の具合を確かめる。
〈第五場〉夕暮れ時。マリーと不倫相手の鼓手長(T)が家の中へと消える。
【第2幕】〈第一場〉マリーの部屋。午前中。彼女は男から貰った耳飾りに見入る。そこにヴォツェックがいきなり現れ、耳飾りを見咎めるが、それ以上は追求せず、給金を妻に渡して立ち去る。マリーは自分を責める。
〈第二場〉大尉と医師が立ち話をする。ヴォツェックが通りがかると、大尉は彼にマリーの不倫を仄めかす。医師も彼の様子を観察する。
〈第三場〉マリーの部屋。ヴォツェックは妻を詰問する。彼女は「それがどうしたの!」とふて腐れるがその場は収まる。ヴォツェックは、「刺されるほうがまだましよ!」という妻の言葉を反芻する。
〈第四場〉料亭の庭。人々が踊る。ヴォツェックは、知的障害者の男(T)から「血の匂いがする」と言われて愕然とする。
〈第五場〉兵舎の衛兵室。休んでいるヴォツェックに酔った鼓手長が絡み、抗う彼を痛めつける。
【第3幕】〈第一場〉マリーの部屋。夜。彼女は後悔し、聖書を読んで神の救いを求める。
〈第二場〉池のほとり。夕暮れ。帰りたがるマリーの首にヴォツェックはナイフを突き刺す。
〈第三場〉居酒屋。ヴォツェックがマルグレートと踊る。しかし、手の血痕を見つけられ外に飛び出す。
〈第四場〉池のほとり。錯乱状態のヴォツェックは妻の死体にぶつかり、そのまま池の中に入ってゆく。大尉と医師が現れるが、二人ともそ知らぬ顔で行過ぎる。
〈第五場〉マリーの家の前。子供たちが、マリーの子に「君のお母さん、死んだよ」と告げて池へと向かう。マリーの子も皆を追って木馬で走り去る。

【主   催】文化庁芸術祭執行委員会/新国立劇場
【共同制作】バイエルン州立歌劇場