プア・ベック

戯曲概要

作品名
日本語名
Poor Beck
プア・ベック
言語 英語

作品について

登場人物(出演者)の数 4人(男2人、女2人)
主な登場人物(5名まで)
(名前、職業、年齢など)
ミュラ(女、16歳)
キニュラス(ミュラの父)
ケンクレイス(ミュラの母)
プア・ベック
核戦争後の未来
ところ 地下のトンネルの中
作品解説・あらすじ
(400文字以内)
核戦争後の未来、一部の人類が地下のトンネルに避難してかろうじて生き延びた。かつての文化は失われ、言語形態もまた変貌を遂げたなか、小共同体を率いる盲目のキニュラスは、地下世界を旅する男プア・ベックと出会う。キニュラスの妻ケンクレイスに恋したベックは、地上がすでに浄化され、生存可能な状態であると嘘をつく。一方、キニュラスの娘ミュラは父を異性として愛する気持ちを抑えきれず、その思いをベックに打ち明ける。禁じられた愛が虚偽を生み、抑圧からの解放を求める心が小共同体を破滅に導く物語。古代ローマの詩人オウィディウス作『変身物語』の一挿話を下敷きに、SFファンタジー的世界観のなかで、文化の縮退を特殊な書法のせりふで表現するという言語実験に挑んだ作品。英国よりも、ドイツほかヨーロッパ諸国で関心を集めている。(平川大作)
初演年
劇場
2004年
ジ・アザー・プレイス(ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー)
The Other Place (Royal Shakespeare Company)
新国立劇場での上演 なし

作家について

作家名 ジョアナ・ローレンス
Joanna Laurens
プロフィール
(300文字以内)
1978年イギリス、ブリストル生まれの女性劇作家。2000年、ベルファストのクイーン大学在学中に書いた『三羽の鳥』(The Three Birds)でデビューした。ピロメラを強姦したトラキアの王テーレウスのギリシア神話の物語に材をとったこの作品は、劇評家協会から「もっとも将来有望な劇作家」として受賞するほか、各方面で高い評価を得た。二作目の『五つの黄金の指輪』(Five Gold Rings)は2003年にロンドンのアルメイダ劇場で初演、『プア・ベック』はそれに続く3本目の作品となる。詩的言語の追求など実験的色彩の濃い作風がしばしばサラ・ケインに比して語られたが、寡作のまま2009年現在、新作の執筆には至っていない。

出版状況

原語出版本
出版社名(出版年月)
Poor Beck
出版:Overon Books Ltd.(2005年)
翻訳出版本
出版社名(出版年月)
なし