無実
戯曲概要
作品名 日本語名 |
Unschuld 無実 |
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言語 | ドイツ語 |
作品について
登場人物(出演者)の数 | 15人+コロス |
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主な登場人物(5名まで) (名前、職業、年齢など) |
エリシオ(黒人の不法入国者) ファドル(同上) アプゾルート(盲目の若い女性) ミセス・ハーバーザット(身寄りのない女) |
時 | 指定なし |
ところ | ヨーロッパのある海辺、ほか |
作品解説・あらすじ (400文字以内) |
『タトゥー』(1992年)と『最後の炎』(2008年)の中間期に書かれたもうひとつの代表作。ここに、デーア・ローアー独自のコロスおよび人称が混在する語りが技法として確立し、残酷と滑稽を並存させつつ時事的な示唆にも富んだ、人間の「罪」をめぐる壮大なメルヘンをなしている。とりわけ、舞台化へのイマジネーションを掻き立てる多層的な場面の連鎖は完成度が高く、渾身の一作といえる。ヨーロッパのある海辺で、不法入国の黒人二人が、海に入っていく女を見つけるが、助けようか躊躇するうち彼女は波間に消える。眠れぬ夜を過ごすうち、一人が「金(神)の入った袋」を発見する。目の見える男たちのために踊る盲目の踊り子、犯してもいない罪の赦しを請う女、遺体処置係に生きがいを見出す男、娘夫婦の家に転がり込む糖尿病の母、自著を燃やし「世界の不確実性」を悟る老いゆく女性哲学者。個々の物語はやがて絡み合い、「金」は盲目の少女の手術代になるが…。 (三輪玲子) |
初演年 劇場 |
2003年 ハンブルク、タリーア劇場 Thalia Theater, Hamburg |
新国立劇場での上演 | なし |
作家について
作家名 | デーア・ローアー Dea Loher |
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プロフィール (300文字以内) |
1964年バイエルン州生まれ。ベルリン芸術大学で戯曲を書き始め、92年『オルガの部屋』でデビュー。次作の『タトゥー』、『リバイアサン』では、演劇専門誌「テアター・ホイテ」の年間最優秀新人劇作家(93年、94年)に選ばれる。ミュールハイム市演劇祭のゲーテ賞(93年『タトゥー』)と劇作家賞(98年『アダム・ガイスト』)、2006年ブレヒト賞を受賞。グロテスクとユーモアが交錯する人間のありようを見据える目線、現代詩のようにミニマルでリズミカルな語りでイメージを掻き立てる劇的言語を特徴とする。2008年『最後の炎』は、ミュールハイム市演劇祭劇作家賞と「テアター・ホイテ」誌の年間最優秀戯曲に選ばれた。2009年ベルリン文学賞を受賞。 |
出版状況
原語出版本 出版社名(出版年月) |
-「Theater der Zeit」2003年10月号 -Zwei Stücke (Unschuld/Das Leben auf der Praça Roosevelt) Verlag der Autoren(2004年) |
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翻訳出版本 出版社名(出版年月) |
「無実/最後の炎」 出版:論創社(2010年) |
著作権者(代理会社)
著作権者(代理会社) | Verlag der Autoren Scheleusenstrasse 15 60327 Frankfurt am Main, Germany |
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日本における代理店 |