

古典バレエの中でも絶大な人気を誇る作品。新国立劇場版『白鳥の湖』は、格調の高さはそのままに、イギリス人美術家カザレットによる現代的で洗練された色彩感覚が印象的な舞台です。
新国立劇場バレエ団の『白鳥の湖』の特徴は、プロローグで物語の発端がわかりやすく描かれることで、作品の物語性が強調されている点や、スピーディなダンスや高度なテクニックが随所に散りばめられている点などが挙げられます。
何度観ても新しい発見があると言われる本作品は、主役ダンサーたちの技術と深い表現力、コール・ド・バレエのアンサンブルの完成度など、バレエ団としての真価が問われる作品です。是非、新国立劇場バレエ団の'今'をご堪能ください。



そこは、とある城の中。オデット姫が、ふと怪しい気配に気づいて振り返ると、悪魔ロートバルトが立っている。
ロートバルトはオデットを白鳥の姿に変え、城から連れ去る。
ジークフリード王子の城では、王子の成人を祝って祝宴が催されている。
友人たちが王子にお祝いを述べるそばで、道化がお祝いに訪れた人々を楽しませている。
そこへ王子の母である王妃が登場する。
王妃は王子に弓を贈り、明日の舞踏会で花嫁を選ぶように言い渡す。
日が暮れ、客たちが帰っていく。
一人残ったジークフリードは、去りゆく少年時代を思い感傷に沈む。
そして、白鳥の群れが空を横切って飛ぶのをみて、その姿に誘われるように湖へと向かう。

深い森の湖畔。悪魔ロートバルトによって白鳥に変えられた乙女たちは、夜の間だけ人間の姿に戻る。
白鳥を追ってきた王子は、その中のひときわ気高く美しいオデット姫に心を奪われる。
オデットは、悪魔ロートバルトの魔力に打ち勝つことができるのは、未だ恋をしたことのない男性による永遠の愛の誓いだけであり、もしその誓いが破られれば、白鳥たちは二度と人間に戻れないと語り、ジークフリードは、ためらうことなく彼女を愛することを決心する。
夜が明けはじめ、白鳥たちが帰っていく。オデットはジークフリードに別れを告げる。

城内での舞踏会。各国の姫たちが花嫁候補として招かれている。しかしオデット姫を深く愛するジークフリード王子は誰にも心を動かされない。
ファンファーレが鳴り響き、悪魔ロートバルトが娘オディールを伴って登場する。オデットにそっくりなオディールを見て王子はオデット姫だと思い込む。
王子はオディールに幻惑され、窓辺で必死に訴えかける本物のオデットの姿に気づかない。
そして、ついにオディールに愛を誓ってしまう。その途端、ロートバルトとオディールは正体を現し、王子をあざ笑いながら姿を消す。

白鳥たちの待つ湖畔に戻ったオデットは、ロートバルトの策略にはまり
王子が心ならずも裏切ってしまったことを話し、悲しみにくれる。
そこへ悔恨の情に責めさいなまれたジークフリードが現れ、赦しを乞う。
彼を許すオデット。
ロートバルトは愛する二人を引き離そうとするが、
ジークフリードはロートバルトに最後の戦いを挑む。



パ・ド・トロワ(※1)や花のワルツなど華やかな踊りが繰り広げられる楽しく平和なシーンではあるが、王妃の登場によって王子の心は一抹の寂しさを感じさせられる。
翌日の花嫁選びを告げられ、恋を知らない純粋な王子は、子ども時代との別れ、独身最後の夜であることを実感するのである。
※1 パ・ド・トロワ(pas de troi):3人の踊りという意味。

なんといっても2幕の醍醐味は、コール・ド・バレエの一糸乱れぬ動きと踊りで、これを観るために2階や3階の席で鑑賞する人も少なくない。
一方で、王子とオデットのパ・ド・ドゥも繊細で美しく、微妙な恋の距離感を踊りでうまく表現するところも見逃せない。
※2 コール・ド・バレエ(corps de ballet):コールとはフランス語で集合、団体の意味。大勢で一緒に踊り、主役を引き立てる群舞のダンサーたちのこと。

コーダでは、オディールが32回連続で回転するグラン・フェッテという難しいテクニックが入っており、音楽的にもバレエ的にも最も盛り上がる。そのすぐ後には、王子が騙されるという悲劇が待っており、光と影が強烈に印象づけられる。
※3 グラン・パ・ド・ドゥ(grand pas de deux):主役の男女2人が4曲連続で踊る形式のことを言い、バレエ技術の高さと最後まで踊りきる体力が求められる。

※4 チュチュ (tutu):チュールを幾重にも重ねて作られた女性ダンサーが着る衣裳のこと。


プロフィール
ロシアのチェリャビンスク生まれ。両親ともチェリャビンスク・バレエのダンサーという環境に育つ。1999年ロシア国立ペルミ・バレエ学校でバレエを始め、2006年ローザンヌ国際バレエコンクールで入賞後、英国ロイヤル・バレエ・スクールに招かれ研鑽を積み、’09年イングリッシュ・ナショナル・バレエ(ENB)に入団。’10年にファースト・ソリスト、’11年プリンシパル、’12年リード・プリンシパルに昇進した。ENBでの主なレパートリーに、バランシン『アポロ』、『海賊』コンラッド、『ジゼル』アルブレヒト、デレク・ディーン版『白鳥の湖』ジークフリード王子、『シンデレラ』王子、『眠れる森の美女』デジレ王子、ヌレエフ版『ロメオとジュリエット』ロメオなどがある。ウエイン・イーグリング版『くるみ割り人形』初演時には王子を踊った。’10年、英国舞踊批評家協会賞、’13年ブノワ賞を受賞している。’14年英国ロイヤル・バレエに移籍。プリンシパルとして『眠れる森の美女』フロリムント王子、『冬物語』フロリゼルなどを踊る。新国立劇場には’13年『ジゼル』アルベルトで鮮烈な印象を残した。14/15シーズン・ゲスト・プリンシパルとして『眠れる森の美女』『ラ・バヤデール』に主演、今回の『白鳥の湖』で3度目の登場となる。

プロフィール
ウクライナ国立歌劇場指揮者。’87年、キエフ国立音楽院を卒業後、ウクライナ国立歌劇場にて指揮者を務める。’95年〜2014年キエフ市アカデミー・オペラ・バレエ劇場首席指揮者。ウクライナ人民芸術家の称号を授与される。ウクライナ国立歌劇場では『マーメイド』『コッペリア』『ウィンナー・ワルツ』『海賊』、またキエフ市アカデミー・オペラ・バレエ劇場では『リゴレット』『ロメオとジュリエット』『ラ・バヤデール』『ジゼル』『白鳥の湖』『不死身のカシェイ』(リムスキー=コルサコフ)『森の詩』(スコルリスキー)などのオペラやバレエに指揮者・音楽監督として参加。交響曲ではベートーヴェン『交響曲第9番』、ロッシーニ『スターバト・マーテル』、オルフ『カルミナ・ブラーナ』などを手がける。2003年、’06年にはメキシコでマリインスキー劇場、ボリショイ劇場、ウクライナ国立歌劇場、アメリカン・バレエ・シアター、ニューヨーク・シティ・バレエ、シュトゥットガルト・バレエなどで活躍する世界のバレエ界のスターたちを集めて行われたガラ・コンサート《バレエティッシモ》で指揮を務めた。’06年には4度にわたりザグレブ国立歌劇場に招かれたほか、メキシコシティ国立バレエ団にたびたび招かれ、『ロメオとジュリエット』などの指揮を務める。また、ウクライナ国立歌劇場の日本、ドイツ、フランス、スペイン、スロベニア、ポルトガル、韓国、南アフリカ、メキシコ公演、およびキエフ市アカデミー・オペラ・バレエ劇場イギリス公演(’05、’06、’07年)に参加。新国立劇場では’08年以降『ラ・バヤデール』、『白鳥の湖』、『ドン・キホーテ』、『シンフォニー・イン・スリー・ムーヴメンツ』、『大フーガ』で指揮を務めている。

新国立劇場オペラパレスにて
※6月11日(木)は1~4階席に、13日(土)2:00は2、3階席に学校団体が入る予定です。
- 予定上演時間:
- 約2時間35分(休憩含む)
開場は開演の45分前です。
開演後は入場制限をいたします。
- 託児室 <キッズルーム「ドレミ」> がご利用になれます。


場所:茅ヶ崎市民文化会館大ホール
問合:0467-85-1123
http://www.chigasaki-hall.jp/
- 席種
- 料金(税込)
- S席
- 10,800円
- A席
- 8,640円
- B席
- 6,480円
- C席
- 4,320円
- D席
- 3,240円
- Z席
- 1,620円
> オペラパレス座席表 (PDFファイルを開きます)
会員先行販売期間:2015年2月14日(土)~2月24日(火)
一般発売日:2015年2月28日(土)
○クラブ・ジ・アトレ会員販売期間は会員の方は上記料金の10%OFF、一般発売以降は5%OFFでお求めいただけます。
> Z席の購入方法※Z席42席は、公演初日に先がけて全日各32枚を新国立劇場「Webボックスオフィス」にて抽選販売いたします。
抽選販売の残席と10席を公演当日の朝10:00よりボックスオフィス窓口にて一般発売。
いずれも1人1枚、電話予約は不可です。
※Z席Web抽選受付期間 2015年6月8日(月)11:00~6月9日(火)11:00
※Z席Web抽選結果発表 2015年6月9日(火)18:00頃
10名以上でのご観劇は新国立劇場営業部(Tel 03-5352-5745)までお問合せ下さい
・壁際、手摺の近く、バルコニー、上層階の一部のお座席で、舞台が見えにくい場合がございます。
また、1階席前方のお座席ではダンサーの足先などが見えにくい場合がございますので、ご了承ください。
・4歳未満のお子様のご同伴・ご入場はご遠慮ください。お子様も1人1枚チケットをお求めください。
・車椅子をご利用のお客様はボックスオフィスまでお問い合わせください。
・公演日、席種によっては、お求めになれないことがあります。
・公演中止の場合を除き、チケットの変更および払い戻しはいたしません。
・高齢者(65歳以上)、学生、障害者、ジュニア割引がございます。ボックスオフィスにてお申し込みの際に、
割引をご利用の旨お知らせください。(高齢者、学生割引はチケットぴあ一部店舗でもご利用いただけます。
Webボックスオフィス、他のプレイガイドでは受付できません。それぞれ、年齢を確認できるもの・学生証・障害者手帳が必要になります。)
・当日学生割引(50%割引/D・Z席を除く):公演当日のみボックスオフィスとチケットぴあ一部店舗で販売。1人1枚。
電話予約不可。要学生証。
・学生割引チケットは、JR各社の学生割引を利用できる学生の方が対象です。
・車椅子をご利用のお客さまはボックスオフィスまでお問い合わせください。
〒151-0071 東京都渋谷区本町1丁目1番1号
TEL:03-5351-3011(代表)
https://www.nntt.jac.go.jp/
京王新線(都営新宿線乗入)「初台駅」中央口(新国立劇場口)直結。
※東口(東京オペラシティ口)ではございません。ご注意ください。
※京王線は止まりません。