
世界中のバレエ団で継承される19世紀ロマンティック・バレエ不朽の名作「ジゼル」。新国立劇場バレエ団では創立翌年の1998年にキーロフ・バレエのセルゲーエフ版を上演して以降、人気レパートリー作品として再演を重ねてきました。
恋人の裏切りから死に至るまでの、錯乱の場面で見せるジゼル役ダンサーそれぞれの表現や、精霊ウィリとして現れた第2幕での重量を感じさせないポアント・ワーク。セルゲーエフ版ならではの見どころが散りばめられた男性ソリストの踊りなど、新国立劇場バレエ団ならではの舞台にご期待ください。

世界中のバレエ団で継承される19世紀ロマンティック・バレエ不朽の名作「ジゼル」。新国立劇場バレエ団では創立翌年の1998年にキーロフ・バレエのセルゲーエフ版を上演して以降、人気レパートリー作品として再演を重ねてきました。
恋人の裏切りから死に至るまでの、錯乱の場面で見せるジゼル役ダンサーそれぞれの表現や、精霊ウィリとして現れた第2幕での重量を感じさせないポアント・ワーク。セルゲーエフ版ならではの見どころが散りばめられた男性ソリストの踊りなど、新国立劇場バレエ団ならではの舞台にご期待ください。
中世ドイツの農村。ジゼルという美しい村娘が母親と二人で暮らしている。彼女に恋する若者が二人いた。一人は貴族のアルベルト。身分を隠し納屋で服を着替え農夫ロイスとして逢いにくる。もう一人は森番のハンスだが、ジゼルに想いを打ち明けられずにいた。
今日もジゼルを訪ねるアルベルト。無分別な恋を諌める従者ウィルフリードを追い払い、彼女の家の戸を叩くと、まもなくジゼルが軽やかに登場する。ジゼルはカミツレの花を摘み二人の恋の行く末を占うが芳しくない結果に落胆する。しかしアルベルトに慰められて無邪気な明るさを取り戻す。幸せそうに愛を語らう二人を見て、ハンスが嫉妬にかられ飛び出してくる。彼はジゼルに求愛するが受け入れられず、アルベルトに退けられてしまう。
ぶどうの収穫に出ていたジゼルの友人達がやってきて踊りに誘い、アルベルトも加わって一緒に踊る。そこへジゼルの母親ベルタが出てきて、心臓の弱い娘を心配して家に連れ帰る。アルベルトに不審を抱くハンスは誰もいない隙に納屋へ忍び込み、貴族のしるしである剣を見つけて持ち去る。
クールランド公爵とバチルド姫の狩りの一行が休息にやってくる。ベルタとジゼルは飲み物を出して彼らを丁重にもてなす。バチルドの美しい衣裳にみとれるジゼルの様子に親しみをおぼえたバチルドは、婚約者がいるという彼女に宝石の首飾りを与える。
村人たちが、ぶどうの収穫を祝って集まり始める。ジゼルも母親の許しを得て祭りに加わる。彼女の踊りを始めとして、収穫を祝う様々な踊りが披露され、全員のギャロップで祭りは最高潮に達する。
その時、ハンスがやって来てアルベルトが実は貴族だと告げる。信じないジゼルにハンスは剣を見せ、さらに角笛を高らかに吹く。公爵の一行が現れ、農夫姿のアルベルトを見て驚く。さらにバチルドは、この人は私の婚約者だとジゼルに指輪を見せる。あまりの衝撃に正気を失ったジゼルは、貰った首飾りを投げ捨て絶望に打ちひしがれる。恋人との幸せな記憶がきれぎれに蘇り、次第に錯乱してついに息絶えてしまう。
やり場のない怒りにアルベルトは剣を振るうが従者に止められ、いずこともなく走り去る。
森の中にある沼のほとり。ジゼルの墓をハンスが訪ねるが、不気味な鬼火に追われて森の闇に迷い込んでいく。
夜の森はウィリの支配する死の世界。嫁入り前に命を落とした乙女たちは精霊ウィリとなり、夜になると墓から出て踊り狂うのである。ウィリの女王ミルタが姿を現して手に持ったローズマリーの小枝でウィリ達を呼び集める。ミルタは今夜新しい仲間が加わることを告げ、ジゼルを墓から導き出す。
人の気配を感じてウィリ達が身を隠したところへアルベルトが現れる。
後悔の念に打ちのめされ、ジゼルの墓に額づくアルベルトの傍らをジゼルの亡霊が見え隠れし、アルベルトはジゼルの存在を確かに感じとる。
ウィリ達が道に迷ったハンスを捕らえ、むりやり踊りに引き込んでついには沼に突き落としてしまう。次いでアルベルトがいることに気づいたウィリ達はこれもまた引きずり出して踊らせようとする。しかし、ジゼルは彼を墓の十字架のそばへと導き、身を挺して守る。ミルタの力も聖なる十字架には効力を失い、ローズマリーの小枝がポキリと折れる。ミルタは一瞬うろたえるが、懇願をはねつけ、冷徹に二人を踊らせる。次第に力尽きてくるアルベルトを励まし、彼の分まで踊ろうとするジゼル。アルベルトの疲労は限界にまで達し、もうこれまでかと地面に崩れ落ちたとき、夜明けを告げる教会の鐘の音が鳴り響く。
あたりが白々と明るくなるにつれ、ウィリ達の力は衰えて徐々に消えていく。ジゼルもまた、愛する人を守りとおした安らぎに満たされて、アルベルトとの別れを惜しみながら墓の中へと姿を消してゆく。