時は18世紀、フランスとアメリカを舞台に、自由奔放に生きる美少女マノンと彼女に純愛を捧げる騎士デ・グリューの悲劇的な愛を描いたオペラ。波乱に満ちた愛の逃避行の物語を、プッチーニの甘く残酷までに美しい音楽が奏でます。美しいアリアが満載で、中でもデ・グリューの「見たこともない美人」、マノンの「この柔らかいレースにくるまれて」などはコンサートなどで歌われることも多い名曲です。プッチーニの3作目にして出世作となったオペラで、本作品の大成功によりプッチーニは一躍イタリアオペラ界の寵児となりました。
新国立劇場では99年以来12年ぶり、待望の上演となります。今回の舞台は、ベルリン・ドイツ・オペラなどで上演されているデフロ演出によるもの。白を基調とした装置に、伝統的なロココ風の衣裳による美しい舞台で好評を博しています。
新国立劇場でこれまで「マクベス」「アイーダ」「オテロ」とヴェルディの大作を指揮し、素晴らしい音楽作りで、聴衆を興奮と感動の渦に巻き込んだフリッツァ。今やメトロポリタン歌劇場をはじめ、世界中で引っ張りだこのフリッツァが、新国立劇場ではじめてプッチーニのオペラを指揮します。
主要キャストの3役には、それぞれ新国立劇場初登場のフレッシュな歌手陣を迎えました。マノン役は、ブルガリアの名花スヴェトラ・ヴァッシレヴァ。マノン、リュー、蝶々夫人、トスカといったプッチーニのヒロインを特に得意とし、欧米で大人気のヴァッシレヴァにご期待ください。相手役のデ・グリューを歌うアルゼンチン出身のグスターヴォ・ポルタは、現在ヨーロッパを中心に目覚ましい活躍をしている注目のテノール。また、昨年のミラノ・スカラ座日本公演「ドン・カルロ」ロドリーゴ役の名演が記憶に新しいダリボール・イェニスがレスコー役を歌います。
18世紀後半、フランスのアミアン。青年騎士デ・グリュ-は、修道院に入ることになっていた美しいマノンに一目惚れする。好色な大蔵大臣ジェロントがマノン誘拐を企んでいることを知ったデ・グリューは、マノンと2人でパリに駆け落ちする。 しかし、マノンはパリでの貧乏暮らしに飽き足らずジェロントの愛妾となってしまう。贅沢だが愛のない生活にやがて空しさを覚えたマノンの前にデ・グリュ-が現れ、愛を確かめ合う。そこをジェロントに目撃され、マノンは姦通の罪で流罪に。デ・グリューは、マノンへの熱い愛がゆえに流刑地への同行を懇願する。 2人は流刑地アメリカでも問題を起こし脱走、荒野をさまよう。飢えと渇きに衰弱したマノンは、為す術もなく絶望するデ・グリュ-に永遠の愛を誓い、その腕に抱かれて息絶える。
新国立劇場〒151-0071東京都渋谷区本町1丁目1番1号TEL:03-5351-3011(代表)アクセスの詳細はこちら