新国立劇場 2010/2011 SEASONシーズンオペラ公演

オペラ 椿姫|新国立劇場

社交界の華と純朴な青年の儚い純愛。恋愛オペラの決定版!


オペラ「椿姫」エッセイ


『いまも、強く人の心に訴える 純粋愛の物語』石戸谷 結子 (音楽評論家)

「椿姫」の原題は「ラ・トラヴィアータ」“道を踏み外した女”という意味だ。ヒロインのヴィオレッタはパリの裏社交界で持て囃される、いわば日陰の女。夜ごと夜会に明け暮れる彼女の前に現れたのが、純真な青年アルフレードだった。その真摯な愛に心動かされ、華やかな生活を捨てて彼との愛だけに生きようとする。しかしその時すでにヴィオレッタは、不治の病におかされていたのだ‥。

1852年、パリに滞在していたヴェルディは、評判になっていたデュマ・フィスの芝居「椿を持つ女」を観て、すぐオペラ化を思い立つ。40歳の壮年期を迎えたヴェルディは、当時としては珍しい高級娼婦を主人公にした現代劇に、革新的な音楽要素を注ぎ込み、感動的な旋律に彩られた傑作を完成させたのだ。

ヴェルディをも魅了したヴィオレッタという女性のモデルとなったのは、じつは実在の人物。マリー・デュプレシと名乗る彼女は、背が高くほっそりとした色白の美女で、劇場に現れるときは、いつも白い椿の花束をかかえていたという。20歳のデュマは、ある日マリーに出逢って恋に落ち、悲恋に終わった体験を小説にしたのだ。愛する人のため、死を決意して身を引き、はかない命を散らせたヴィオレッタの純粋愛の物語は、いまもなお、私たちの心に強く訴えかけてくる。

今回のプロダクションは、ルーカ・ロンコーニによる評判の演出。光と陰を巧みに使い、登場人物の心理にまで踏み込んだ、美しい様式美に彩られた舞台だ。歌手では最も注目されるのが、ヴィオレッタを歌うパトリツィア・チョーフィ。新国立劇場初登場となる彼女は、スカラ座を始め世界各地でヴィオレッタを歌い、絶賛される美人ソプラノ。深い歌唱と演技力にも定評がある。アルフレードを歌うのが、ソウル生まれのウーキュン・キム。欧米で大活躍する期待の若手リリック・テノールだ。ジェルモン役は近年特に強烈な個性を発揮しているバリトン、ルチオ・ガッロ。広上淳一の情熱的な指揮にもぜひ期待したい。

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社交界の華と純朴な青年の儚い純愛。恋愛オペラの決定版! オペラ「椿姫」を是非ご鑑賞ください!
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