研修所ニュース

演劇研修所長の交代について

新国立劇場演劇研修所のスタート時より所長を務めていた栗山民也氏が、開所から10年を期に、2016年3月末日をもっての退任の意思を示され、4月1日より、宮田慶子が演劇研修所長に就任しましたので、お知らせいたします。



栗山民也氏は日本演劇界を代表する演出家であり、2000年当劇場の演劇芸術監督就任時より演劇界のための俳優育成の重要性を説き、演劇研修所設立に尽力しました。


2005年に演劇研修所が開所してからは、初代所長として研修所の基盤・体制づくりを行い、研修生を直接指導するなど、研修所の発展に大きく寄与してきました。2007年に演劇芸術監督退任後も、俳優育成への情熱を強く持ち、引き続き所長を務められたものです。研修所では、第2期生からほぼ毎年夏の上演を果たしてきた井上ひさしの名作朗読劇『少年口伝隊一九四五』のほか、『マニラ瑞穂記』『アンチゴーヌ』『嚙みついた娘』など、毎年欠かすことなく研修所の舞台を演出し確実に成果をあげてきました。


宮田慶子は演劇研修所の開所時より特別講師として授業を行い、研修所公演の演出を担当するなど、常に研修所と関わりを持ってきました。2010年に演劇芸術監督就任後は、主催公演の中で修了生を多数登用する公演を3年連続で企画しています。また、開所当初より演劇研修所の基盤づくりを支援する演劇研修所サポート委員を務めました。

  

  


宮田 慶子(みやた けいこ) プロフィール


1980年、劇団青年座(文芸部)に入団。83年青年座スタジオ公演『ひといきといき』の作・演出でデビュー。翻訳劇、近代古典、ストレートプレイ、ミュージカル、商業演劇、小劇場と多方面にわたる作品を手がける一方、演劇教育や日本各地での演劇振興・交流に積極的に取り組んでいる。公益社団法人日本劇団協議会常務理事、日本演出者協会副理事長。紀伊国屋演劇賞個人賞、芸術選奨文部大臣新人賞毎日芸術賞千田是也賞、読売演劇大賞最優秀演出家賞など受賞多数。新国立劇場では『ディア・ライアー』などを演出。2010年9月に新国立劇場演劇芸術監督に就任。その後、『ヘッダ・ガーブレル』『わが町』『おどくみ』『朱雀家の滅亡』『負傷者16人─ SIXTEEN WOUNDED─』『るつぼ』『長い墓標の列』『つく、きえる』『ピグマリオン』『永遠の一瞬─ Time Stands Still─』『三文オペラ』『海の夫人』『パッション』。また、オペラ『沈黙』(12・15年)を演出。