山の巨人たち

スタッフ

作:ルイジ・ピランデルロ
翻訳:田之倉稔
演出:ジョルジュ・ラヴォーダン

美術:ジャン・ピエール ヴェルジェ
照明:ジョルジュ・ラヴォーダン
音楽:久米大作
音響:黒野 尚
衣裳:ブリジット・トリブイヨワ
ヘアメイク:鎌田直樹
振付:夏貴陽子
演出助手:保科耕一
舞台監督:藤崎 遊

芸術監督:鵜山 仁
主催:新国立劇場

【演出】ジョルジュ・ラヴォーダン(パリ・オデオン座前芸術監督)
1947年、仏グルノーブル生まれ。フランスの俳優、演出家。68年セミプロ的な演劇グループを結成、73年以降公的な助成を獲得する劇団となった。96年3月、オデオン・ヨーロッパ劇場のディレクターに就任。オデオンでの最初の演出『リア王』はこの大悲劇を喜劇すれすれの趣向で演出し、批評家からも観客からも絶賛された。現在はフリーランスとして活躍。ラヴォーダンの舞台にはいずれも夢と現実が混交する世界の揺らめき、イリュージョンと想像のたわむれがあるといわれる。その舞台を創出する良きパートナーである美術家ジャン・ピエールとの共同創作は長年にわたる。今回の新国立劇場公演『山の巨人たち』の美術もピエール氏が担当する予定である。

【演出家からのメッセージ】
「この高みに立って、私は自分の声がかつてない程に響きわたるのを感じている」、ある日ピランデルロは、自らの戯曲についてこのように書いた。「自分の芸術がこれほど充実し変化に富み、サスペンスに満ちたものになったことはない。これはまさに魂と眼の祝祭であり、朝おく霜のように新鮮で、輝かしい躍動感にあふれている」。がしかし、突然の死が作者の命を奪い、作品は宙吊りのまま、崖っぷちに残された。未完に終わった最初の三つの幕に秘められた謎は、永久に解けることがないだろう。
「劇場の中の劇場・三部作」を通じてピランデルロは、「演劇」の諸要素、登場人物、役者、演出家、観客が葛藤する様々な形態を模索した。彼にとって『山の巨人たち』は、いわばシェイクスピアにとっての『テンペスト』だ。芸術の「力」についての彼の思想は、この作品によって新たな地平を獲得した。役者達の一団がコトローネの所領に侵入した時、この見知らぬ神話の国で、演劇それ自体が突然ゆさぶられ、道に迷ったかのように思える。実態と幻、「演じること」の虚構のきしみ合いが、魔術を解き放つ力となるわけだが、それは同時に、コトローネが自在に呼び出す、この世のものならぬ存在が住む世界の風景とも重なる。そこにはピランデルロ自身の哲学が夢想した以上のものが潜んでいて、月の世界の荒々しい岩山のような、奇跡にまとまった夢の形をしたファンタジーが、現実から立ち昇るのだ。

キャスト

平 幹二朗
麻実れい
手塚とおる
田中美里
綾田俊樹
田根楽子
大鷹明良
植本 潤
及川 健
久保酎吉
渕野俊太
細見大輔
大原康裕
真織由季
佐伯静香
小 春
澤田若菜

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平幹二朗
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麻実れい
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手塚とおる
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田中美里

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綾田俊樹
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田根楽子
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大鷹明良
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植本 潤
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及川 健

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久保酎吉
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渕野俊太
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細見大輔
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大原康裕
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真織由季

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佐伯静香
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小春(アコーディオン)
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澤田若菜(ヴァイオリン)