オテロ

2009/2010シーズンの開幕を華やかに飾った、シェイクスピアの悲劇に基づくオペラで、晩年のヴェルディが7年の歳月をかけて作曲した、イタリア・オペラ悲劇の頂点に立つ作品です。演出のマルトーネは、物語の舞台をキプロス島からヴェネツィアに移し、ステージ上に50トンもの水をたたえた運河を蜘蛛の巣の如く配し、水面の表情や色でオテロの妄想やイアーゴによって張り巡らされた陰謀を視覚化。美しく迫力のあるプロダクションは新国立劇場のレパートリーとして、観客に永く愛されるものであると考えます。難役オテロは、『トゥーランドット』カラフや『アイーダ』ラダメスで新国立劇場に強靭な美声を響かせたフラッカーロで、今シーズン開幕公演の『イル・トロヴァトーレ』マンリーコでも登場します。松位浩、小原啓楼等、脇を固める日本人キャストの活躍にもご期待ください。