ルサルカ

  • 2011/2012シーズン
  • [New Production]
    Antonín Dvořák : Rusalka
    アントニーン・ドヴォルザーク/全3幕
    【チェコ語上演/字幕付】

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  • オペラ劇場

ドヴォルザークの美しい旋律が奏でる、水の精ルサルカの悲恋。

新国立劇場オペラのラインアップには、オペラの代名詞と呼ばれるようなスタンダードな人気作品とともに、日本国内での上演機会が少ない名作を取り上げることも重要と考えます。今シーズンは、東欧の作品からドヴォルザークの幻想的なメルヘン・オペラ『ルサルカ』が初登場です。スメタナ、ヤナーチェクと並びチェコの民族的オペラに貢献したドヴォルザークは、交響曲第9番『新世界より』の作曲家として有名ですが、切なくも美しいアリア〈月に寄せる歌(白銀の月)〉で知られるように、美しいメロディにあふれるオペラ作品を残しています。2008年斬新なデザインで完成した新オペラハウスとして話題となったオスロのノルウェー国立オペラ・バレエのプロダクション(2009年初演)が新国立劇場での上演に最適であると考え、この舞台装置・衣裳・小道具をレンタルし、新国立劇場初上演することとなりました。闇に輝く月、戯れる精霊、神秘のベールに包まれた森を舞台に、メルヘンチックなおとぎ話が、多感な少女の夢の中で鮮やかに甦ります。演出は、登場人物の心情を音楽とともに明確に表現したノルウェー国立オペラ・バレエ芸術監督ポール・カランによる秀作です。チェコ出身の指揮者キズリンクは新国立劇場初登場、ルサルカ役は美声と可憐な舞台姿で人気を集めるグリャコヴァです。

ものがたり

森に棲む水の精ルサルカは、人間の王子に恋をしている。ある月の美しい夜、ルサルカは人間の姿と魂を手に入れて王子と結ばれたいとヴォドニク(水の精のおじいさん)に打ち明ける。彼は忠告とともに魔法使いイェジババに相談することを勧める。魔法使いは、ルサルカの望みをかなえるためには、引きかえに“声”を失い、もし王子の裏切りにあえば、二人とも呪いがかかり破滅すると話すが、王子を恋するあまり、ルサルカはこれを受け入れ人間の姿にしてもらう。王子は美しいルサルカと森で出会うとたちまち恋に落ち、城に連れて帰る。城で王子とルサルカの結婚式の準備が進む。王子の愛情は、口をきかないルサルカから、祝宴のために訪れていた外国の公女に移る。嘆き悲しむルサルカの前に、水の精ヴォドニクが現れ、ルサルカを裏切った王子に呪いをかけルサルカを湖に連れ帰る。人間でも精霊でもなく永遠にさまよい続けなければならなくなったルサルカ。魔法使いが現れ、ルサルカに短剣を手渡し王子の血によって水の精に戻れると教えるが、王子への想いが断ち切れないルサルカは短剣を湖に捨てる。呪いに苦しむ王子が湖に現れ、ルサルカに許しを乞う。ルサルカは、自分の接吻は王子に死をもたらすものだと言うと、王子は自分の不実を償うためルサルカに口づけをし、安らかに息絶える。ルサルカは湖の底に沈む。