美しく妖艶に舞ったサロメが求めたものは…陶酔と官能のオペラ。
2010/2011シーズン『アラベッラ』『ばらの騎士』に続く、ドイツ後期ロマン派を代表するR.シュトラウス作品。新国立劇場オペラのレパートリーとしてしっかり定着したこのプロダクションは、バイエルン州立歌劇場(故エファーディング演出)の作品で、舞台中央に巨大な古井戸を据えた迫力と妖しさが漂う秀作。また、2000年の初演から今までに4人のサロメがそれぞれ歌と演技で観客を魅力していることからもわかるように、同じプロダクションを違うキャストで観るオペラの楽しみ方を堪能できる重要な作品。欧米の歌劇場でサロメを演じ好評を博している新国立劇場初登場のズンネガルドも観客の期待に応えることでしょう。サロメを題材とした作品は、何世紀にも亘って芸術家たちの創造力を刺激し、音楽、文学、美術、演劇でも多くの傑作が残されており、同シーズンの演劇のラインアップにもオスカー・ワイルドの『サロメ』が登場します。演劇で、オペラで愉しめる新国立劇場ならではのラインアップで、幅広い客層にアピールできればと考えています。
(2012年6月には新国立劇場演劇『サロメ』が予定されています。)