イル・トロヴァトーレ

  • 2011/2012シーズン
  • [New Production]
    Giuseppe Verdi : Il Trovatore
    ジュゼッペ・ヴェルディ/全4幕
    【イタリア語上演/字幕付】

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  • オペラ劇場

宿命に引き裂かれた兄弟の愛憎劇。これぞイタリア・オペラの醍醐味!

尾高芸術監督任期2年目のシーズン開幕を飾る作品に、ヴェルディ中期の三大傑作の一つである『イル・トロヴァトーレ』が登場します。ソプラノ、メッゾ・ソプラノ、テノール、バリトンとバランス良く配された登場人物に、強烈な印象を残す珠玉のアリアが与えられ、イタリア・オペラの醍醐味である“声の彩り”を十分堪能できる名作です。物語は、運命に振り回されながらも真摯に生きる姿を描いたドラマチックな愛憎劇です。入り組んだ人間関係が物語を複雑にしていますが、演出のペータースは、物語を真髄から外れることなく、明解でインパクトのある演出で描きだします。ドラマチックな音楽と併せて存分に堪能していただけることでしょう。フラッカーロ、イヴェーリ、ヴィテッリ、ウルブリッヒ等の声の饗宴にもご期待ください。

ものがたり

15世紀のスペイン。アラゴン地方の貴族の家に二人の息子がいた。弟が病弱なことについて、あるジプシーの老婆が嫌疑をかけられ、火焙りにされた。老婆の娘アズチェーナはいつの日か復讐しようとこの弟を誘拐。それから20年後。ルーナ伯爵は行方不明の弟を捜し続けていた。アズチェーナに育てられた吟遊詩人(トロヴァトーレ)マンリーコは、アラゴン公女の侍女レオノーラと互いに愛し合っている。同じくレオノーラを愛するルーナ伯爵は、マンリーコに決闘を挑む。マンリーコが死んだと勘違いしたレオノーラは修道院入りを決意。修道院前でレオノーラを連れ去ろうとするルーナ伯爵の前に、山中に潜んでいたマンリーコが現れ、レオノーラと二人で逃げ去る。愛しあう二人が結婚式を挙げようとしていると、アズチェーナがルーナ伯爵によって火刑にされると知らされる。結局ルーナ伯爵は、アズチェーナをおとりにマンリーコを捕えることに成功する。レオノーラは我が身と引き換えに愛するマンリーコの助命をルーナ伯爵に願い、承諾を得ると隠し持った毒を仰ぐ。レオノーラは牢獄のマンリーコに命が救われたことを伝えるが、毒がまわり倒れる。レオノーラの裏切りを知ったルーナ伯爵は、マンリーコを処刑する。アズチェーナは、ルーナ伯爵が殺したマンリーコこそ、20年前に消えた弟であると暴露し、復讐を果たす。ルーナ伯爵はただ呆然と佇む。

【主 催】文化庁芸術祭執行委員会/新国立劇場