フィガロの結婚

  • 2010/2011シーズン
  • 2010/2011 Season Opera
    Wolfgang Amadeus Mozart:Le Nozze di Figaro
    ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト/全4幕
    【イタリア語上演/字幕付】

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  • オペラ劇場

オペラを語る上で、神童モーツァルトは絶対不可欠であり、その代表作である『フィガロの結婚』は欠くことができません。この作品は2003年ノヴォラツスキー芸術監督就任第1作としてプレミエを迎えたプロダクションで、段ボールが散乱した箱状の真っ白な空間をモノトーンの衣裳をつけた歌手たちが動きまわるアンドレアス・ホモキの演出は、モーツァルトがこの作品の中で歴史上具体的な関係ではなく、人類の普遍的な問題について問いかけていることに注目し、秩序の崩壊というコンセプトを打ち出しました。ドラマが進行するにつれ、この“非歴史的”舞台空間は徐々に壊れ、歌手たちが身につけている社会的地位の差を表わす衣裳もなくなって、社会的因習を排除したピュアな人間性を生き生きと描き出しています。アンサンブルの演技は、細部にまで裏付けられた構成で、オペラファンに限らず演劇ファンにも楽しめる完成度の高い舞台の誕生だと、広く話題を巻き起こしました。

ものがたり

もとは理髪師で今はアルマヴィーヴァ伯爵の召使いフィガロは、伯爵夫人の小間使いスザンナと今日結婚式を挙げることになっている。初夜権(宮廷の主人は、その召使いの結婚の際花婿に代わって初夜を共にできるという権利)をひとたび放棄したもののスザンナに気がある伯爵はその復活を企んでいる。一方、伯爵夫人は、夫の冷めゆく愛を嘆いている。そこで夫人、フィガロ、スザンナが結託して伯爵の鼻を明かそうと企む。恋する思春期の小姓ケルビーノをスザンナの衣裳で女装させて伯爵をおびき出そうとするが失敗。一方、フィガロに横恋慕の女中頭マルチェッリーナはフィガロに借金返済が無理なら自分と結婚するよう強要し裁判となるが、フィガロがマルチェッリーナの子であることが発覚。一転して喜びの再会となる。次に夫人とスザンナはお互い衣裳を換えて、伯爵の浮気現場をおさえようと画策。事情を知らないフィガロはこれに一時混乱するが直ぐに理解し解決する。伯爵はまんまと引っかかり、夫人に平謝りして全員喜びの大団円となる。