うぶな娘マリーの愛の戯れと結末。現代オペラの傑作、日本初演!
20世紀オペラの傑作=[軍人たち]
総合芸術としてのオペラを考える上で、重要かつ上演困難な作品としても有名。作曲家は“時間や空間の表現”に興味を持ち、舞台上の1つの場面で3つの話が視覚的に同時進行したり、コラールやジャズ、オペラ、騒音、電子音、民族音楽などをコラージュ的にいっせいに併存させて、小間物商人の娘マリーが道を踏みはずし乞食へと転落してゆく姿を描いています。指揮の若杉弘は99年にヴォーカルシンフォニー版で日本初演を果たしています。
フランス北部リール。小間物商人ヴェーゼナーの娘マリーは、シュトルツィウスと婚約しながら、若いフランス軍人デポルト男爵と関係を持つ。娘の軽率さを戒めていた父親も、娘の玉の輿を思い描くようになるが、男爵は消息を絶つ。その後マリーは、大尉、さらに若い伯爵と逢瀬を重ね、一時は身を持ち直そうとするが結局娼婦となる。恋人を奪われたシュトルツィウスは男爵を毒殺、自分も服毒死する。軍人たちが行進する通りに、物乞いする乞食のマリーが泣き崩れる。