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2008/2009シーズン演劇 (芸術監督からのメッセージ)
 
2008/2009シーズンの幕開けは、「劇場というフィクション」にかかわる3作品です。三島由紀夫の「近代能楽集」より、『綾の鼓』『弱法師』、イタリア現代演劇の父、ルイジ・ピランデルロが遺した未完の大作『山の巨人たち』、そして、フランス17世紀の巨星、ピエール・コルネイユの喜劇『舞台は夢』。

 新国立劇場はれっきとしたお国の施設ですが、劇場という落とし穴に落ちてしまえば、そこは「不思議の国のアリス」のウサギ穴さながら、時間も、空間も、人も、モラルも、こちら側の世界とはまったく異なる別世界が広がっています。

 涙が笑いに、恋が裏切りに、敵が味方に、死が再生に、そして嘘が真に、たちまち姿を変えてしまう、妖しくも楽しいウサギ穴。このほの暗い穴、秘めやかな母胎は、私たちの再生が、今一度の誕生が期待できる場所です。

 年が明けて2009年の春には、昨シーズンに引き続いての「シリーズ・同時代」。今回は【海外編】として、ドイツから2作、アイルランドから1作の現代戯曲を取り上げます。このシリーズは昨年4月、新野守広、佐藤康、小田島恒志、平川大作の4氏とともに立ち上げた、現代戯曲研究会の成果の発表の機会でもあります。
 演出は、倉持裕、田村孝裕、岡田利規、劇作家でもある若い3氏に依頼し、翻訳劇上演の新しいあり方を探りたいと思います。また、今回、本公演としては取り上げられなかった作品群のリーディングを同時並行的に行うことで、優れた海外の新作を、新国立劇場から更に広く発信して行きたいと考えています。

  5月から6月にかけては昨年好評を得た『夏の夜の夢』の再演、7月には坂手洋二氏の新作、『現代能楽集 鵺』を通して、アジアと日本との深層の出会いを目論んでいます。そして2009/2010シ-ズンには、更に大型の企画が満を持して待機しています。

 このところ芸術監督の再任をめぐって、内外からさまざまな議論が寄せられました。提起された問題については、新国立劇場がより新鮮なウサギ穴として日々再生し続けるためのエールと受け止め、是非これを機会に改めるべきところは改め、開かれた議論を喚起し続けたいと考えています。今後とも、どうかよろしくお願いいたしします。
 

 
演劇芸術監督 鵜山 仁
演劇芸術監督
鵜山 仁
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