平成20年度 新国立劇場 高校生のためのオペラ鑑賞教室 椿姫

指揮者が語るオペラ「椿姫」の魅力

注目の言葉「エ ストラーノ」

このオペラはイタリア語で歌われます。「イタリア語なんてわからねえや!」ですって?いえいえ、ご心配なく。劇場には両サイドに日本語の字幕が出ますのでストーリーをちゃんと追うことができます。字幕付きの外国映画を想像してもらえればいいと思います。
さてこのオペラの中ではヴィオレッタによって鍵となる言葉が各幕で1箇所ずつ歌われます。それは「エ ストラーノ」という言葉です。「不思議だわ」という意味ですが、幕ごとにその意味するところが違うのです。最初の「エ ストラーノ」は1幕で来客やアルフレードが皆帰ったところで、純情な青年の求愛に心ときめかせている自分の心境をいぶかるシーン。二回目は二幕でアルフレードがパリに行ったことをいぶかしがるシーン。三回目はオペラの一番最後、彼女が死ぬ場面で「不思議だわ、新しい力がわいてくるよう」と言いながら事切れるのです。是非「エ ストラーノ」だけは覚えてどんな場面で出てくるのか注目してみて下さい。