演劇公演関連ニュース
2026/2027シーズン『巨匠とマルガリータ』開幕!
撮影:引地信彦
2026年9月より新たに演劇芸術監督に就任した上村聡史の就任第一作となる2026/2027シーズンオープニング公演『巨匠とマルガリータ』が、本日11月7日(土)に中劇場にて開幕いたしました。
原作となる『巨匠とマルガリータ』は、1928年~40年にかけてミハイル・ブルガーコフにより執筆された小説です
物語の舞台は1930年代のモスクワ。官僚主義と検閲にがんじがらめとなった文学界に、自らの野心作を激しく批判され、絶望の末に原稿を焼き捨て精神病院へ姿を消した劇作家「巨匠」。彼を深く愛し、救うためなら悪魔に魂を売ることも厭わない女性マルガリータ。そして、突如モスクワに現れ、市民の本性や社会の欺瞞を暴き出していく謎の悪魔ヴォランド。時代や空間を飛び越え、幻想と現実が交錯する中で、人間の善悪や不滅の愛、そして「原稿は燃えない」という言葉に象徴される芸術の根源的な力が力強く描かれていきます。
主人公の「巨匠」役を演じる成河、マルガリータ役の花乃まりあ、悪魔ヴォランド役の篠井英介をはじめ、松島庄汰、菅原永二、大鷹明良ら実力派キャスト陣が怒涛の展開を繰り広げます。シュールでカオスな出来事が次々と巻き起こる"荒唐無稽"な劇世界と、個性的で強烈なキャラクターたちが紡ぐ繊細かつ濃密な人間ドラマに、客席全体がその世界観へと深く引き込まれていきました。
新芸術監督の門出と新シーズンの開幕を飾るにふさわしい圧倒的スケールで描き切ったカンパニーに対し、初日の客席からは惜しみない拍手が贈られました。
公演は、新国立劇場 中劇場にて11月23日(月・祝)まで!どうぞお見逃しなく。
初日を迎え、演出家、キャストよりメッセージが届きました
上村聡史(演出/新国立劇場 演劇芸術監督)
ついに新シーズンの幕開けとなる『巨匠とマルガリータ』が大きな産声を上げました。しゃべる猫や悪魔たちの舞踏会など奇想天外な出来事が次々と起こりますが、その背景には、今現在を築いてくれた多くの人たちの深い苦しみが浮かび上がります。舞台上では、その苦しみを感じつつも、ロマンや滑稽さを交え、時空も現実も超えた壮大な旅へと皆様を誘います。休憩20分を含め3時間30分の大作となっておりますが、キャスト・スタッフ陣の類まれなる創意工夫により、決して飽きさせることなく、この旅を存分に堪能いただける出来栄えとなりました。ぜひ劇場でご体験いただけますと幸いです。
成河(巨匠役)
新国立劇場主催の本気をこれでもかと味わう日々です。全ての過程、ここに至るまで、本当に贅沢な環境で作品をつくり、そしてお届けできることに心から歓び、感謝しています。滅多なことではお目にかかれない特別な劇場空間で僕自身も味わったことのない高揚を感じています。誇らしい程に世界レベルの空間です。ここで人間が人間らしく生きるとは何かを考えます。人間社会に生きづらさを感じている全ての方に観ていただきたい作品です。
花乃まりあ(マルガリータ役)
『巨匠とマルガリータ』初日を迎えました。
この物語の不思議な魅力、いえ魔力?に取り憑かれています。
目に見えるものだけが真実でしょうか。
人はなぜ、これほどまでに誰かを愛するのでしょうか。
マルガリータの抱える孤独と絶望、そして狂気的とも言える愛。
演出の上村さんに導かれ、彼女の魂に触れようとする稽古の日々は、私自身の心の奥を覗き込むような時間でもありました。
さあ、しばし現実の重力を脱ぎ捨てて。共に月夜の空へ飛び立ちましょう!
松島庄汰(さすらい人イワン役)
いよいよ『巨匠とマルガリータ』の幕が開きました。僕が演じるイワンは、突如現れ「悪魔」によってそれまでの自分が信じてきた世界を根底から覆される青年です。彼が翻弄されながらも真実へ辿り着こうとするように、僕自身も千秋楽まで、毎公演新鮮に揺さぶられながら舞台の上に立ち続けたいと思います。滑稽で、残酷で、けれど不思議な美しさを持った作品です。ぜひ劇場で、この世界の空気に触れてみてください。
菅原永二(ファゴット役)
ブルガーコフ? ロシア文学?難しいんでしょ?
そんなこと考えなくていいです。
壮大なスペクタクルです。とにかく美しいしかっこいいです。
稽古場では上村さんの圧倒的な演出でぐいぐい物語の世界が立ち上がっていきました。
平気な顔をしていましたが追いつくのに必死でした。途中から「考えるのではなく感じるのだ」とシフトを替えたら俄然楽しくなりました。
是非劇場で観て感じてほしい作品です。感じたものが全てです。
芸術の秋、新国立劇場で
「巨匠とマルガリータ」の世界を浴びてほしい。お待ちしています。
大鷹明良(ポンティオ・ピラト役)
「月よりも、もっと遠い場所、それは劇場。」舞台稽古を終えて、この言葉が浮かんだ。これは、寺山修司作【青ひげ公の城】に出てくる台詞である。私が演劇を貪る様に観ていた、1970年代、アングラ演劇全盛期。小劇場やテント芝居、そして、野外劇に至るまで、《不条理》に満ちていた。それは、学生運動や、反戦、反核、安保闘争と深く結びついていた。祈りの様に。ケンプ版、巨匠とマルガリータでは、巨匠「議論している間は処刑されない、それが、俺の演劇。」というセリフがある。そう、議論。私も祈る、お歴々も皆様も、議論を。穏やかで平和な毎日を過ごすために。
篠井英介(ヴォランド役)
ワクワク、ドキドキの舞台が開幕しました! ストーリーを追うとちょっと迷子になりがちですが、どんどん不思議で面白い場面が立ち現れますから、めくるめくステージ。演劇でしか体験できない世界へお連れします!ご来場お待ちしております。
舞台写真撮影:引地信彦
『巨匠とマルガリータ』公演情報
令和8年度(第81回)文化庁芸術祭主催公演・昭和100年記念公演
新国立劇場 2026/2027シーズン 演劇
『巨匠とマルガリータ』
【公演日程】2026年11月7日[土]~23日[月・祝]
【会場】新国立劇場 中劇場
【原作】ミハイル・ブルガーコフ
【翻案】エドワード・ケンプ
【翻訳】小田島創志
【演出】上村聡史
【出演】成河、花乃まりあ、松島庄汰、菅原永二/明星真由美、小松利昌、富山えり子、内田健介、山本圭祐、山森大輔、柴 一平、 釆澤靖起、近藤 隼、猪俣三四郎、篠原初実、笹原翔太/大鷹明良、篠井英介
【芸術監督】上村聡史
【主催】文化庁/新国立劇場
あらすじ
舞台は1930年代のモスクワ。文学界は官僚主義と検閲にがんじがらめ。そんな中、劇作家である、通称「巨匠」は、キリストの処刑を決めたローマ総督・ピラトを題材にした野心的な作品を書き上げる。しかし、その作品は体制に受け入れられず、激しい批判にさらされ、絶望の淵に突き落とされた結果、彼は自分の原稿を焼き払い、精神病院へと姿を消してしまう。一方、巨匠には愛する女性、マルガリータがいた。彼女は美しく聡明で、巨匠の才能を誰よりも信じていた。巨匠がいなくなり、絶望的な日々を送るマルガリータの前に、突如として奇妙な外国人ヴォランドとその取り巻きたちが現れる。ヴォランドはモスクワの街で様々な騒動を引き起こしながら、市民たちの本性を試そうとしていた。マルガリータは、唯一の願い"愛する巨匠と再び会うこと"を叶えてもらうためにヴォランドの取引に応じる。ヴォランドの目的、巨匠の運命、そしてマルガリータの愛の行方は一体どうなるのか──?
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