Storyものがたり
19世紀末期、ロンドンの社交界。外務次官ロバート・チルターン准男爵は、ウィーン社交界の花形・チェヴリー夫人から、過去の過ちを種に、不正に加担するよう迫られる。妻のチルターン卿夫人は、彼を清廉潔白な理想の夫と信じ、崇拝していた。彼女に打ち明けることができず、苦悩するロバートは、親友のゴーリング子爵に相談するが......。
『理想の夫』は、オスカー・ワイルドの全4幕の戯曲で、『ウィンダミア卿夫人の扇』『とるに足らない女』『真面目が肝心』とともにワイルドの4大喜劇のひとつとされています。19世紀末のロンドン社交界の裏で繰り広げられる紳士、淑女の人間ドラマを描き、理想の結婚とは、理想の夫とは、ひとりの人間を愛するとは、を問う傑作喜劇です。
初演は、1895年1月3日、ロンドンのヘイマーケット座で上演されました。以後、現在まで、欧米ではたびたび上演される人気演目ですが、日本では、これまで上演歴がありませんでした。
欧米では、ドイツ、アメリカ、イギリスなどでたびたび映画化もされています。最近では、1999年に、ケイト・ブランシェットやルパート・エヴェレットなどの出演で映画化され、日本では『理想の結婚』の題名で2000年に公開されました。