2013年11月〜12月公演
作:ジョージ・バーナード・ショー
翻訳:小田島恒志
演出:宮田慶子
出演:石原さとみ 平 岳大 安奈 淳 小堺一機
出演:綱島郷太郎 増子倭文江 橋本 淳 春風ひとみ ほか
世界的に有名なミュージカル『マイ・フェア・レディ』の原作である『ピグマリオン』。
ノーベル賞作家であるバーナード・ショーによって、ギリシャの伝説にあるキプロス島の彫刻家ピグマリオンの話をベースに描かれた本作は、1913年ウィーンのホフブルグ劇場で初演、ロンドンでは14年ヒズ・マジェスティ劇場で上演されました。
自立した女性として生まれ変わったイライザが、ヒギンズ教授の元を立ち去り、生活力はないけれど自分を愛する善良なフレディを選び出て行くラストシーンは、『マイ・フェア・レディ』でイライザが最終的にはヒギンズの元へ戻るロマンティックなラストと大きく違います。
原文の副題にはA Romance in Five Acts(五幕のロマンス)とありますが、一人の女性の内的成長、それをとりまく社会に対する風刺も効いたロマンス喜劇として描いたバーナード・ショーのシニカルな視点を、『ヘッダ・ガーブレル』で新しいヘッダ像を造り出した宮田がどう演出するかが期待されます。
ロンドンの下町に住む花売り娘のイライザは、ひょんなことから言語学者のヒギンズ教授と出会う。音声学の権威で、発音を聞けばすぐにどこの出身かわかってしまう天才的な才能をもつヒギンズは、イライザのひどいなまりや粗暴な態度にあきれ、このままでは一生底辺の生活から這い上がれないと罵倒し、さらに、私にかかれば上流階級の婦人のように仕立ててみせるとからかう。
その翌日、イライザはヒギンズを訪問し言葉を教えてくれと頼む。面白い実験材料が来たと思ったヒギンズと友人のピッカリング大佐は、イライザを舞踏会デビューさせ、スラム街出身をうまくごまかせるかどうかの賭けをし、イライザを家に住まわせ面倒をみるのだった。
過酷なレッスンを経て、ヒギンズ達の期待以上のレディに仕上がったイライザは、見事舞踏会で大成功をおさめるだが……。