るつぼ

  • 2012/2013シーズン
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宮田慶子が芸術監督就任以来、企画、上演し続けている「JAPAN MEETS・・・ ─現代劇の系譜をひもとく─」シリーズの第7作目として取り上げるのは、アーサー・ミラーによる『るつぼ』。1953年に初演された本作は、17世紀末に実際に起きたセイラムの魔女裁判に取材しながら、1950年代当時のアメリカの赤狩りやマッカーシズムを痛烈に批判し、社会現象ともなった問題作です。また2001年の9・11同時多発テロ以降のアメリカ国内の動きを批判して再演され、本国アメリカでは大きな話題となりました。
社会における弱者と強者、群集心理によるパニック状態、そして一人の男がたった一人の少女に翻弄されていく姿を描き、トニー賞も受賞しました。宮田慶子自らが演劇研修所の試演会でも取り上げた作品を、『わが町』でもタッグを組み大きな評価を得た水谷八也が新たに翻訳、さらに深淵まで踏み込んで、再び挑みます。

ものがたり

1692年、マサチューセッツ州セイラム。
春。牧師のパリスが深夜の森でアビゲイルら少女たちが全裸で踊っているのを発見したことを発端に、悪魔払いのヘイル牧師がかけつけるなど町は大騒ぎ。さらにパトナム家と町の老人・ジャイルズとの抗争、アビゲイルと農夫ジョン・プロクターとの不倫関係などが絡み合い、窮地に追い込まれた少女たちは町の人々を魔女として告発し始める。
セイラムでは無実の人々が次々と逮捕、処刑されている一方で、アビゲイルらは聖女として扱われている。プロクターは、魔女告発者の一人である下女の言動から、アビゲイルたちの陰謀に気づくが、時すでに遅く、とうとう妻・エリザベスが拘束されてしまう。プロクターらは、ヘイル牧師の協力でダンフォース判事に妻の赦免を願い出、アビゲイルと対決することに。だが、言い争ううちにアビゲイルは「悪魔がいる」と言いだして人々を扇動、プロクターも拘束されてしまう。
季節は秋から冬へ。魔女裁判に疑問を感じ始めた人々が現れる中、アビゲイルは身の危険を感じ失踪してしまう。
ダンフォース判事は、裁判の正当性と保身のため、プロクターに処刑を中止する代償として、一旦は「魔女」であることを告白するよう提言する。悩むプロクターは、家族への愛を断ち切ることができず偽りの告白をするが、仲間を裏切ったという良心の呵責に耐えかね、自ら朝日に輝く処刑台へと上って行く。