新国立劇場 演劇研修所
朗読劇 
少年口伝隊一九四五

「少年口伝隊一九四五」は、2008年2月に井上ひさし氏が演劇研修所の研修生のために書き下ろした朗読劇です。以来演劇研修所では、研修生が3年次に取り組むべき作品として、毎年上演を重ねてまいりました。この大切な作品を語り継いでいくために、今年も演劇研修所第5期生が取り組みます。

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ものがたり

昭和20年8月6日、一発の原子爆弾が広島の上空で炸裂した。
一瞬にして広島は壊滅。このときから、漢字の広島はカタカナのヒロシマになった。
かろうじて生き延びた英彦・正夫・勝利の三人の少年は、やはり運よく助かった花江の口利きで中國新聞社に口伝隊として雇われる。新聞社も原爆で何もかも失ったため、ニュースは口頭で伝えるほかなかったからだ。
三人の少年は、人々にニュースを伝えながら、大人たちの身勝手な論理とこの世界の矛盾に気がついていく。
やがて敗戦。
しばらくすると正夫に原爆症が発症、手榴弾を隠しもっていた勝利はある決意をする。
そこへ戦後最大級の台風がヒロシマを襲う。