サロメ

  • 2011/2012シーズン
  • [JAPAN MEETS… ─現代劇の系譜をひもとく─]X

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  • 中劇場

2011年1月に開場したKAAT 神奈川芸術劇場の芸術監督、宮本亜門が、新国立劇場ではじめてストレート・プレイの演出を手がける。
『サロメ』は1891年に書かれたが、1893年2月にパリでフランス語版が発行され、その一年後に英訳がロンドンで出版された。その後現在まで数多くの外国語に翻訳されている。1896年ルーブル座でフランス初演。日本初演は1914年、松井須磨子主演で芸術座(劇団)による公演。最近では2009年の翻案劇としての上演や、ク・ナウカによる上演がある。
1905年にはリヒャルト・シュトラウスがドイツ語訳を歌劇にし、今日まで非常に人気の高いオペラ演目となり、近年も世界的に話題となる公演が次々と行われている。
本公演ではイェルサレムの王女サロメとヨカナーンの恋の悲劇にいたるまでの群衆劇を丁寧に作り、義理の父であるヘロデ王、母のヘロディアスとの3人の家族を中心に幻想的な台詞劇、美しく魅力的な新しい作品として甦らせる。
2010/2011シーズンに続く[JAPAN MEETS… ─現代劇の系譜をひもとく─]の一環として小説家の平野啓一郎によるフランス語からの新訳上演を企画し、現代の日本語の台詞によって作品世界を再生し、上演したい。
(2011年10月には新国立劇場オペラ『サロメ』が上演された。)

ものがたり

舞台はイェルサレム、ヘロデ王の宮殿。サロメは王妃ヘロディアスの娘で、ユダヤ王ヘロデは義父。ヘロデはサロメの実の父である兄を殺し、ヘロディアスを妻としていた。
宴の席で、ヘロデ王に見つめられていたサロメがテラスに逃れていくと、その地下の井戸から不気味な声が聞こえてきた。ヘロデ王に幽閉されていた預言者ヨカナーンの声。サロメは興味を持ち、親衛隊長に命じて、ヨカナーンを井戸から外に出してもらう。
ヨカナーンはヘロディアスの近親婚の罪をとがめるが、サロメの誘いには目もくれず、また、井戸へ戻っていく。
サロメを追って、ヘロデ王、続いてヘロディアスがテラスに出てくると、地下からはヨカナーンの声が聞こえる。
踊って見せよと命ずるヘロデ王。サロメはその代わりにヨカナーンの首を要求する。