2002年東京・ソウル、05年東京・全国・ソウルと上演された『その河をこえて、五月』に続き、08年に開場20周年を迎えたソウル・芸術の殿堂との再コラボレーション作品として、『焼肉ドラゴン』は東京・ソウルで上演され、両国で毎回スタンディング・オベーションとなる熱狂的な反応で幕を閉じました。その年の演劇賞を総なめにした話題作を満を持して再演します。
『焼肉ドラゴン』受賞記録
(日本国内)
第43回紀伊國屋演劇賞 個人賞(鄭義信)
第 8回朝日舞台芸術賞 グランプリ(『焼肉ドラゴン』)
第12回鶴屋南北戯曲賞(鄭義信『焼肉ドラゴン』)
第16回読売演劇大賞 大賞・最優秀作品賞(『焼肉ドラゴン』)
同 優秀男優賞(申哲振『焼肉ドラゴン』)
同 優秀女優賞(高秀喜『焼肉ドラゴン』)
同 優秀演出家賞(梁正雄・鄭義信『焼肉ドラゴン』)
第59回芸術選奨 文部科学大臣賞(鄭義信『焼肉ドラゴン』)
(韓国国内)
韓国演劇評論家協会の選ぶ2008年 今年の演劇ベスト3
韓国演劇協会が選ぶ 今年の演劇ベスト7
『焼肉ドラゴン』は、日本の焼肉屋を舞台に、ある在日コリアンの家族を通して、日韓の現在、過去、未来を、音楽入り芝居でおかしく、そして哀しく切なく描きました。鄭義信は初演時に、「小さな焼肉屋のおおきな歴史を描きたい」と言いました。まさに空港近くの土地に身を寄せ合って住む人たちのおおきな歴史は、きっとあの時代、あらゆる場所で起きていた普遍的な物語でもあります。
今回も初演と同じく、日韓両国の俳優・落語家・ミュージシャンのビビン(韓国語で混ぜるの意味)キャストで、焼肉屋「焼肉ドラゴン」は賑やかになることでしょう。
韓国ソウル・芸術の殿堂、兵庫県西宮市・兵庫県芸術文化センター、
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万国博覧会が催された1970(昭和45)年、関西地方都市。
高度経済成長に浮かれる時代の片隅で、焼肉屋「焼肉ドラゴン」の赤提灯が今夜も灯る。
店主・金龍吉は、太平洋戦争で左腕を失ったが、それを苦にするふうでもなく、流れていく水のように、いつも自分の人生を淡々と受けとめてきた。
家族は、先妻との間にもうけた二人の娘と、後妻・英順とその連れ子、そして、英順との間にやっと授かった一人息子・・・・・・ちょっとちぐはぐな家族と、滑稽な客たちで、今夜も「焼肉ドラゴン」は賑々しい。ささいなことで泣いたり、いがみあったり、笑いあったり・・・・・・。
そんななか、「焼肉ドラゴン」にも、しだいに時代の波が押し寄せてきて・・・・・・。
これは時代に翻弄されながらも、必死で生きる普遍的な家族の物語です。