研修所ニュース

『ドン・ジョヴァンニ』稽古場たより⑤水野優

 

オペラ研修所修了公演W.A.モーツァルト作曲『ドン・ジョヴァンニ』

今年の3月で3年間の研修を修了し、4月からは世界に羽ばたいていく19期生。

最後のご紹介はドン・オッターヴィオ役の水野優(テノール)です。

 

愛知県立芸術大学音楽学部声楽専攻卒業、同大学博士前期課程修了。

同大学定期演奏会、卒業演奏会出演。優秀学生賞受賞。

「新進演奏家育成プロジェクト オーケストラシリーズ第17回」に出演。

「第15回大阪国際コンクール 声楽部門Age-U」にてアブニール賞受賞。

オペラでは、愛知県立芸術大学・大学オペラ《コジ・ファン・トゥッテ》にて、フェッランド役で全幕出演。

これまでに声楽を二神二朗、初鹿野剛の各氏に師事。

ANAスカラシップにより、昨年度ミラノスカラ座研修を実施、本公演終了後にはミュンヘン海外研修に出発予定。

 

     

平成29年度試演会G.ガッツァニーガ「ドン・ジョヴァンニ~石の招待客~」    平成30年度修了公演「イル・カンピエッロ」

 

【お客様へひとこと】

三年間の研修生活で私が一番学んだことは、「舞台」に関わる人達の想いでした。

一言で「舞台」と言っても、そこには私達ソリストを影で支えてくださる人々が沢山いて、指導者、スタッフ、

劇場関係者、支援してくださる方々や御来場してくださるお客様、様々な人が集まり成り立つものだと思っています。

そんな沢山の人々が「舞台」という神輿を担いでくださっていることで、自分達の人生をかけて学んでいることを表現する場ができ、瞬間芸術の一作品として生みだすことができるのです。

今の世の中はインターネットやDVDなど、劇場に足を運ばなくても観劇することができるようになりました。

それはとても素晴らしいことですし、私もその恩恵を授かり、沢山勉強させていただきました。

ですが、私は動画を観ながらいつも「実際にこの場にいた人達はどれほどの感動に包まれたのだろう」と想像してしまうのです。そんな作品の一員になれたら、と。

 

上の方でも述べましたが、「舞台」を作りだすのは私達だけでなく、そこに関わった人々全ての何らかの想いが集まって

作品になると私は考えています。

この修了公演だけでもソリストや合唱の何倍、何十倍もの人々が熱い想いを持って支えてくれています。

そんな想いを決して裏切らないよう真摯に向き合い、ご来場してくださるお客様にも「来て良かった。」と思っていただけるように精進いたします。

学生の頃「努力とはティッシュペーパーを一日一枚重ねることである。二日三日じゃその厚さは大して変わらないが、

一年、二年と積み重ねればそこそこの厚みになる。努力するとはそういうことだ。」と言う言葉を歌の師匠から授かりました。

今まで積み重ねてきたものでしか私はまだ力がありませんが、これから先も一枚一枚重ねていこうと思います。

 

     

稽古の様子                

 

これまでは電子チェンバロ、電子オルガン、ピアノの3台で稽古を行ってきましたが、今週末にはオーケストラとの合わせが予定されています。

その後は、いよいよ舞台上での稽古です。

稽古場では想定していなかった難しさもあることでしょうが、これからオペラ歌手として舞台に立ち続ける彼らにとって確かな一歩となることでしょう。

  

日々の稽古の様子についてはオペラ研修所公式Tumblrにて発信しておりますので、ぜひご覧ください。

オペラ研修所公式Tumblr

 

オペラ研修所修了公演「『ドン・ジョヴァンニ』稽古場たより」、次回の更新は3月6日(水)、舞台稽古の様子を皆様にお伝えする予定です。

残席は少なくなってきておりますが、当日券もございます。

皆様のご来場を心よりお待ちしております。

 

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