『ドン・ジョヴァンニ』稽古場たより③十合翔子
オペラ研修所修了公演W.A.モーツァルト作曲『ドン・ジョヴァンニ』。
今年の3月で3年間の研修を修了し、4月からは世界に羽ばたいていく19期生。
3人目はドンナ・エルヴィーラ役の十合翔子(メゾ・ソプラノ)です。
神戸女学院大学音楽学部音楽学科声楽専攻卒業。
在学中、クラブファンタジー海外研修助成金授与により、モーツァルテウム音楽大学夏期国際アカデミーに参加。
ディプロマ取得。第86回読売新人演奏会に出演。第69回全日本学生音楽コンクール大阪大会声楽部門大学生の部入選。
第16回大阪国際音楽コンクール声楽部門オペラコースAge-Uにてエスポアール賞受賞。
神戸女学院大学オペラ公演「フィガロの結婚」にケルビーノ役にて出演。同大学オータムコンサート、新人演奏会に出演。
これまでに佐々木美穂、河村さと子、斉藤言子の各師に師事。
ANAスカラシップにより、昨年度ミラノスカラ座研修を実施、本公演終了後にはミュンヘン海外研修に出発予定。
平成29年度修了公演「イル・カンピエッロ」 平成30年度試演会「2つのロメオとジュリエット」
【お客様へひとこと】
劇場で日々学ぶ、というのは常に間近に一流のもの、人々に囲まれて過ごす事でもあります。
大学を卒業してすぐ22歳で研修所に飛び込んだ私にとって、これは何よりの幸運でした。
初めて目に・耳に触れるものがこの環境下であったお陰で、プロとしての仕事・其々の役割や責任を目の当たりにし、
自ずとオペラが総合芸術と呼ばれる所以を体感しながら学べたのです。
またある意味経験が少ない分、先入観を持たず様々な事に向き合えたようにも感じます。
これは現在取り組んでいるドン・ジョヴァンニでも共通しています。悩みながらも、毎回生まれる新しい発見や気付き、疑問や迷いを、的確な正しい知識の元に導いてくれる方々が周りにいて下さるお陰で、全力で試していくことが出来ています。日々のそんな作業が私には楽しくて、愛おしくて仕方がありません...。
さて、今回私が演じるDonna Elviraは一見すると、逞しすぎる程強く、嵐の様に激しい気性に見えます。
しかし彼女の原動力・核はドン・ジョヴァンニへの愛そのもの。
常にただ一途に彼と向き合う、実は本当にピュアで繊細な心の持ち主の様に感じます。
そんな彼女を今の自分の楽器でどう表現していけるか...三年間、一から育てて頂いた感謝を胸に、挑戦を続けて参ります。
稽古の様子
今回の『ドン・ジョヴァンニ』という作品は、全ての研修生それぞれにとって大きな挑戦です。
日々、課題を解決しては新たな課題に直面し、頭を抱えて悩みながらも、講師陣やスタッフたちに支えられ、少しずつ進み、皆でひとつの公演を作り上げていきます。
いよいよ公演まで1か月を切りました。
今年度の研修の集大成となる修了公演、一丸となって取り組んでまいります。
日々の稽古の様子についてはオペラ研修所公式Tumblrにて発信しておりますので、ぜひご覧ください。
オペラ研修所修了公演「『ドン・ジョヴァンニ』稽古場たより」、次回の更新は2月20日(水)を予定しております。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。