研修所ニュース

『ドン・ジョヴァンニ』稽古場たより②荏原孝弥

 

オペラ研修所修了公演W.A.モーツァルト作曲『ドン・ジョヴァンニ』

今年の3月で3年間の研修を修了し、4月からは世界に羽ばたいていく19期生。

2人目にご紹介するのはドン・オッターヴィオ役の荏原孝弥(テノール)です。

 

北海道教育大学岩見沢校芸術課程音楽コース声楽専攻卒業。

卒業後渡伊、国立ロッシーニ音楽院を経て、オジモ市オペラアカデミー(Accademia d'artelirica Osimo)を修了、ディプロマを取得。

第26回イズマエレ・ヴォルトリーニ国際コンクール奨学金賞、第3回ベアータ・パオラ・モンタルディ国際宗教曲コンクール3位受賞。

『コジ・ファン・トゥッテ』フェランド、『チェネレントラ』ラミーロ王子等を、またソロとして『メサイア』、『ミサ・クリオージャ』等を歌う。

ナポリ市にて"Pietà de' Turchini"バロックオーケストラと、ポルポラ『エスペリデスの園』(イタリア復活蘇演)マルテ役、セッリッティ『スターバト・マーテル』ソロで共演。

野田廣志、田口興輔、W.マッテウッツィの諸氏に師事。

ANAスカラシップにより、昨年度ミラノスカラ座研修を実施、本公演終了後にはミュンヘン海外研修に出発予定。

 

     

平成29年度試演会G.ガッツァニーガ「ドン・ジョヴァンニ~石の招待客~」    平成30年度試演会「2つのロメオとジュリエット」

 

【お客様へひとこと】

ここは実践的な舞台を経験できる恵まれた環境です。

一流の歌手とお仕事をしている一流のスタッフが我々研修生を同じようにサポートして下さいます。

これがプロフェッショナルなのだ、ということを肌で感じる事ができます。

今回の演目であるドン・ジョヴァンニは言わずと知れたモーツァルトの作品です。

ですが私達は昨年度に違う作曲家のドン・ジョヴァンニと対峙しました。

そこから見えるリブレットや作曲スタイルの違いは比較対象となるだけでなくモーツァルトの音楽を作っていく上で自ずとイメージやアイデアとして浮き上がってきます。

今正にこのような貴重な体験をしている自分は幸せ者です。

私は作品の様式感やイタリア語の美しさなどに重点を置いて作品を読み解いていきました。

しかしそこに細かな演出が入ると逆に現代を生きる我々が共感できる表現や場面が生まれていきます。

しかもそれは何故か200年前の様式や言葉を丁寧に扱うことでより色濃く浮き出てくるのです。

一見相反するような二つの点が繋がる瞬間をこの稽古場で何度も目の当たりにしています。

そういう時この作品の普遍性とある意味悪魔的な美しさを感じ、私は少しゾワっとしています。

 

     

稽古の様子                

 

現在稽古場には舞台装置の場所を示す線が引かれ、簡易な装置が設置されています。

研修生たちは説明を受けた本番の装置を思い浮かべながら、稽古を行っています。

これまで平日に行ってきた稽古ですが、これから公演までの期間は休日も少なくなります。

自己の体調管理をしっかりとして本番に最高のものをお見せできるよう励んでいます。

日々の稽古の様子についてはオペラ研修所公式Tumblrにて発信しておりますので、ぜひご覧ください。

オペラ研修所公式Tumblr

 

オペラ研修所修了公演「『ドン・ジョヴァンニ』稽古場たより」、次回の更新は2月13日(水)を予定しております。 

皆様のご来場を心よりお待ちしております。

 

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