『イル・カンピエッロ』稽古場たより②氷見健一郎
オペラ研修所修了公演E.ヴォルフ=フェッラーリ作曲『イル・カンピエッロ』。
4月からは世界に羽ばたいていく18期生、続いてご紹介するのは、アンゾレート役の氷見健一郎(バス)です。
東京藝術大学卒業。同大学大学院修了。
オペラ研修所公演では、『ドン・パスクワーレ』ドン・パスクワーレ役、『こうもり』フランク役、
『フィガロの結婚』バルトロ役、『ジャンニ・スキッキ』シモーネ役、
『コジ・ファン・トゥッテ』ドン・アルフォンソ役、G.ガッツァニーガ作曲『ドン・ジョヴァンニ』騎士長役で出演。
ANAスカラシップにより、昨年度9月にはミラノ海外研修を経験、公演終了後にはミュンヘン海外研修に出発予定。
平成28年度修了公演W.A.モーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」 平成29年度「YOST2017~歌曲と重唱の夕べ~」(撮影:田原一彦)
【今回演じる"アンゾレート"について】
アンゾレートは、小間物売りを生業にしている青年で、このカンピエッロとは別のところに住んでいます。
彼は親がおらず、貧しい暮らしをしつつも、彼女であるルシエータと結婚をしたいと考えています。
また、プロポーズの時に指輪を贈りたいという思いもあり、日々一生懸命働いています。
一途に彼女を愛する真面目な男ですが、かっとなりやすく、思わず手を出してしまう気性の荒い一面もあります。
【お客様へひとこと】
3年間のオペラ研修もいよいよ大詰めを迎えます。
これまでの研修所公演では、年齢を重ねた役を多く演じてきましたが、今回は若者の役を頂きました。
歌も演技もアグレッシブさが要求されるこの役は、自分にはなかった要素・可能性を引き出してくれるように思います。
加えて、恋人役や、男性が演じる女性役との演技をやったことがないこともあり、試行錯誤の毎日を過ごしています。
そんな中でも、講師の先生方のご指導や共演者の支えによって、本番に向けて、前に進めてきている気がします。
公演では、自分の演じるアンゾレートとルシエータの恋の行方にも注目していただけると嬉しいです。
稽古の様子
『イル・カンピエッロ』には広場を囲んで住む4つの家族が登場します。
研修生のコメントにもありますが、テノールの演じる母親役(ドナ・カーテ、ドナ・パスクア)も見どころです。
慣れないスカートや靴、動き方等に苦戦しながらも楽しみつつ稽古を行っています。
オペラ研修所修了公演「『イル・カンピエッロ』稽古場たより」次回の更新は2月16日(金)を予定しております。
どうぞお楽しみに!