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2018/2019シーズン
オペラ「紫苑物語」/西村 朗
全2幕〈日本語上演/字幕付〉
2019年2月24日公演
- 第1幕:65分 第2幕:60分
配信期間:5月22日(金)15:00~5月29日(金)14:00
スタッフ・キャスト
スタッフ
- 原作
- 石川 淳
- 台本
- 佐々木幹郎
- 作曲
- 西村 朗
- 指揮
- 大野和士
- 演出
- 笈田ヨシ
- 美術
- トム・シェンク
- 衣裳
- リチャード・ハドソン
- 照明
- ルッツ・デッペ
- 振付
- 前田清実
- 監修
- 長木誠司
-
(作曲)
西村 朗
-
(指揮)
大野和士
-
(演出)
笈田ヨシ
キャスト
- 宗頼
- 髙田智宏
- 平太
- 大沼 徹
- うつろ姫
- 清水華澄
- 千草
- 臼木あい
- 藤内
- 村上敏明
- 弓麻呂
- 河野克典
- 父
- 小山陽二郎
- 合唱
- 新国立劇場合唱団
- 管弦楽
- 東京都交響楽団
-
(宗頼)
髙田智宏
-
(平太)
大沼 徹
-
(うつろ姫)
清水華澄
-
(千草)
臼木あい
-
(藤内)
村上敏明
-
(弓麻呂)
河野克典
-
(父)
小山陽二郎
プロフィール
- 【作曲】西村 朗(NISHIMURA Akira)
- 東京藝術大学卒業。同大学院終了。西洋の現代作曲技法を学ぶ一方で、アジアの伝統音楽、宗教、美学、宇宙観等に強い関心を抱き、そこから導いたヘテロフォニーなどのコンセプトにより、多数の作品を発表。日本音楽コンクール作曲部門第1位(74)、エリザベート国際音楽コンクール作曲部門大賞(77)、ルイジ・ダッラピッコラ作曲賞(77)、尾高賞(88・92・93・08・11)、京都音楽賞(91)、日本現代芸術振興賞(94)、エクソンモービル音楽賞(01)、サントリー音楽賞(04)、毎日芸術賞(05)等受賞多数、2013年には紫綬褒章を授与される。この他、02年度芸術祭大賞、05年度芸術祭優秀賞に作品が選ばれている。1993~94年、オーケストラ・アンサンブル金沢、1994~97年、東京交響楽団のコンポーザー・イン・レジデンス。2000年よりいずみシンフォニエッタ大阪、及び2010年草津夏期国際音楽フェスティヴァルの音楽監督。2007年東京オペラシティ「コンポジアム2007」のテーマ作曲家。NHK-FM「現代の音楽」「N響アワー」司会など放送でも活躍。海外でもウルティマ現代音楽祭(オスロ)、「ノルマンディの10月」音楽祭(ルーアン)などの多くの新作委嘱のほか、ウィーン・モデルン音楽祭、「ワルシャワの秋」現代音楽祭等で作品が演奏されており、コンクールの審査委員も務めている。現在、東京音楽大学教授。
- 【指揮】大野和士(ONO Kazushi)
- 東京生まれ。東京藝術大学卒。ピアノ、作曲を安藤久義氏、指揮を遠藤雅古氏に師事。バイエルン州立歌劇場にてサヴァリッシュ、パタネー両氏に師事。1987年イタリアの「トスカニーニ国際指揮者コンクール」優勝。以後、世界各地でオペラ公演ならびにシンフォニーコンサートの客演で聴衆を魅了し続けている。90~96年クロアチア、ザグレブ・フィル音楽監督。96~2002年ドイツ、バーデン州立歌劇場音楽総監督。92~99年、東京フィル常任指揮者を経て、現在同楽団桂冠指揮者。02~08年ベルギー王立歌劇場(モネ劇場)音楽監督。12~15年イタリアのアルトゥーロ・トスカニーニ・フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者、08~16年フランス国立リヨン歌劇場首席指揮者を歴任。15年から東京都交響楽団ならびにバルセロナ交響楽団音楽監督。オペラでは、07年6月にミラノ・スカラ座デビュー。その後、メトロポリタン歌劇場、パリ・オペラ座、バイエルン州立歌劇場、グラインドボーン音楽祭、エクサンプロヴァンス音楽祭への出演などが相次いでいる。渡邉暁雄音楽基金音楽賞、芸術選奨文部大臣新人賞、出光音楽賞、齋藤秀雄メモリアル基金賞、エクソンモービル音楽賞、サントリー音楽賞、日本芸術院賞ならびに恩賜賞、朝日賞など受賞多数。紫綬褒章受章。文化功労者。17年5月、大野和士が9年間率いたリヨン歌劇場は、インターナショナル・オペラ・アワードで「最優秀オペラハウス2017」を獲得。6月にはフランス政府より芸術文化勲章「オフィシエ」を受勲。同時にリヨン市からもリヨン市特別メダルが授与された。
16年9月より新国立劇場オペラ芸術参与。18年9月よりオペラ芸術監督に就任予定。 - 【演出】笈田ヨシ(OIDA Yoshi)
- 文学座、劇団四季を経て、1968年よりピーター・ブルック率いる国際演劇研究センターに所属。以後パリを拠点に俳優、演出家として活躍している。俳優としては、ピーター・ブルック演出『オルガスト』(71年)、『マハーバーラタ』(87年)『ザ・マン・フー』(97年)サイモン・マクバーニー演出『春琴』(08年)、串田和美演出『三人吉三』(14年)、ドリアン・ロッシ演出『東京物語』(16年)などの舞台、『ピーター・グリーナウェイの枕草子』(96年)『最後の忠臣蔵』『沈黙』『ラストレシピ~麒麟の下の記憶』などの映画に出演。演劇の演出家としてはダンテ『神曲』(82年)安部公房『砂の女』(95年)三島由紀夫『サド侯爵夫人』(96年)ベケット『勝負の終わり』(97年)ジュネ『女中たち』(01年)フォッセ『秋の夢』(01年)など、ウィーン・ブルク劇場、ベルリン・シャウビューネ、ローマ・トラヴェステレ劇場などのヨーロッパ各地で活躍。近年はオペラ・音楽劇の演出にも進出し、ボローニャ歌劇場『ナブッコ』(06年)、オールドバラ音楽祭『ヴェニスに死す』(07年)、ポツダム、ビーレフェルト、メキシコ・モンテレー『冬の旅』(07年)、『ドン・ジョヴァンニ』(09年)、『真珠採り』(12年)、東京芸術劇場ほか『蝶々夫人』(16年)、『戦争レクイエム』(17年)などを手掛けている。著書も多く、十数か国語に翻訳され世界中で読まれている。フランス文化勲章シュヴァリエ(92年)、オフィシエ(07年)、コマンダン(13年)を受章。新国立劇場初登場。
プロフィール
- 【宗頼】髙田智宏(TAKADA Tomohiro)
- 国立音楽大学音楽学部声楽科卒業、二期会オペラ研修所を経て、国立音楽大学大学院音楽研究科声楽専攻(ドイツ歌曲)を首席で修了。2005年第4回静岡国際オペラコンクール「三浦環特別賞」を受賞。2006年第4回長久手国際オペラ声楽コンクール優勝。2003年より小澤征爾音楽塾オペラプロジェクトIV~VIに参加し、ロッシーニ『セビリアの理髪師』フィガロのカヴァーキャストなどを務める。2007年9月よりキール歌劇場専属歌手として『ニュルンベルクのマイスタージンガー』ベックメッサー、『エウゲニ・オネーギン』タイトルロール、『ドン・カルロ』ロドリーゴ他、多数の主役を務め主に海外を拠点に活躍中。近年、国内でも佐渡裕プロデュースオペラに主役で多数出演、15年の『椿姫』ジェルモン役では絶賛を博す。これまでにウーヴェ・ハイルマン、秋葉京子、野崎靖智の各氏に師事。2017年12月、ドイツ・シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州から宮廷歌手の称号を授与されている。現在、ドイツ在住。
- 【平太】大沼 徹(ONUMA Toru)
- 東海大学教養学部芸術学科音楽学課程卒業、同大学大学院修了。二期会オペラ研修所第51期マスタークラス修了。修了時に最優秀賞及び川崎静子賞受賞。10年秋よりドイツ・マイセンへ留学。09年第14回日本モーツァルト音楽コンクール声楽部門第1位。第21回五島記念文化賞オペラ新人賞受賞。オペラでは『ヘンゼルとグレーテル』ペーター、東京二期会『サロメ』ヨハナーン、『オテロ』イアーゴ、『魔笛』パパゲーノ、『トリスタンとイゾルデ』クルヴェナールなどに出演。新国立劇場では『サロメ』2人のナザレ人1とカッパドキア人、『沈黙』ヴァリニャーノ、『魔笛』弁者、『トスカ』アンジェロッティ、鑑賞教室『蝶々夫人』シャープレスに出演。17/18シーズンは『愛の妙薬』ベルコーレ、『フィデリオ』囚人2に出演する予定。二期会会員。
- 【うつろ姫】清水華澄(SHIMIZU Kasumi)
- 国立音楽大学卒業、同大学大学院修了。新国立劇場オペラ研修所第4期修了。文化庁派遣在外研修員としてボローニャに留学。二期会に『仮面舞踏会』ウルリカでデビュー後、『アイーダ』アムネリス、『フィガロの結婚』マルチェッリーナ、『カヴァレリア・ルスティカーナ』サントゥッツァ、『ドン・カルロ』エボリ公女、『イル・トロヴァトーレ』アズチェーナなどで高い評価を得る。新国立劇場では『ワルキューレ』グリムゲルデ、『神々の黄昏』第二のノルン、『チェネレントラ』ティーズベ、『オテロ』エミーリアなどに出演、特に平成22年度高校生のためのオペラ鑑賞教室『カルメン』では急遽タイトルロールに出演して大絶賛された。2012年の日中国交正常化40周年記念『アイーダ』(コンサート形式)では東京公演、北京公演ともアムネリスに出演し、注目を集めた。2015年10月『ラインの黄金』フロスヒルデ、16年4月『アンドレア・シェニエ』ベルシ、17年4月『オテロ』エミーリアに出演。二期会会員。
- 【千草】臼木あい(USUKI Ai)
- 東京藝術大学卒業。同大学大学院修士課程・博士後期課程修了。博士号(音楽)取得。二期会オペラストゥーディオ修了。安宅賞・松田トシ賞・三菱地所音楽賞受賞。第72回日本音楽コンクール第1位。06年ザルツブルクのモーツァルテウム音楽院に留学。国内では東京二期会『ジャンニ・スキッキ』ラウレッタ、日生劇場(及び韓国公演)『夕鶴』つう、『ヘンゼルとグレーテル』(ブレーメン劇場版)グレーテル、びわ湖ホール・神奈川県民ホール『ラ・ボエーム』ムゼッタ、日生劇場開場50周年記念『リア』コーディリア、狂言演出による『リヴィエッタとトラコッロ』リヴィエッタ、北とぴあ国際音楽祭『ドン・ジョヴァンニ』ドンナ・アンナ等を演じる。新国立劇場にはバレエ公演オルフ「カルミナ・ブラーナ」ソプラノソロ、新国立劇場鑑賞教室『カルメン』フラスキータ、同鑑賞教室・関西公演『愛の妙薬』アディーナに出演するほか、「NHKニューイヤーオペラコンサート」などコンサートでもソリストとして活躍している。二期会会員。
- 【藤内】村上敏明(MURAKAMI Toshiaki)
- 国立音楽大学卒業。日本オペラ振興会オペラ歌手育成部第17期生修了。01年12月より文化庁派遣芸術家在外研修員として2年間ボローニャに留学。第9回バタフライ世界コンクール・グランプリなど受賞多数。これまでに『椿姫』アルフレード、『ラ・ボエーム』ロドルフォなどに出演。新国立劇場では『黒船-夜明け』領事、『修善寺物語』源左金吾頼家、『ドン・カルロ』レルマ伯爵/王室の布告者、鑑賞教室『蝶々夫人』ピンカートン、鑑賞教室『椿姫』アルフレード、鑑賞教室『愛の妙薬』ネモリーノ、『オテロ』ロデリーゴなどに出演。2018/2019シーズンは『ジャンニ・スキッキ』リヌッチョにも出演を予定している。藤原歌劇団団員。
ものがたり
【第1幕】舞台は平安時代。歌の名家に生まれた国司の宗頼と、権勢を振るう家の娘、うつろ姫の婚礼の儀が執り行われている。歌の道を捨て弓術に邁進する宗頼を父は責め、宗頼は彼の妻に身持ちの悪いうつろ姫をあてがわれたことに怒る。叔父で弓の達人弓麻呂は、歌の血が濃い間は、第一の矢(知の矢)、第二の矢(殺の矢)の奥義を悟ることはできないと告げ、うつろ姫の寝所の男を射殺す。宗頼も次の男を射殺すが、うつろ姫は意に介さない。宗頼の家来、藤内はこの様子にうつろ姫を利用して国を支配する野望を燃やす。狩りに出た宗頼は怪しい魅力を持つ千草と出逢う。
【第2幕】千草の虜となる宗頼。月の光に照らされ、千草が狐の化身であることがわかる。狐の妖術に触れた宗頼は第三の魔の矢を悟り、叔父の弓麻呂を射殺す。藤内はうつろ姫と結ばれ、国司を狙う。一方、忘れ草を求めて、宗頼は弓に化けた千草とともに山へと向かう。山の中では岩山に仏の顔を彫る平太が一人で暮らしている。宗頼が平太の彫った仏の顔を射ると、宗頼諸共岩山が崩れ落ちる。