オペラ公演関連ニュース

オペラ公演『修道女アンジェリカ』『子どもと魔法』無料配信決定のお知らせ

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2023年10月に2023/2024シーズンの開幕公演として新制作上演したオペラ『修道女アンジェリカ』『子どもと魔法』の公演映像を、2023年12月15日(金)深夜から6か月間、OperaVisionおよび新国デジタルシアターにて無料公開することが決定しました。

OperaVisionは、EUの文化支援プログラムCreative Europeの支援の下、Opera Europaが監修するヨーロッパ最大級のオペラ映像配信プラットフォームです。新国立劇場は2022年2月よりOperaVisionのプロジェクトパートナーとなっています。

プッチーニの『修道女アンジェリカ』は、我が子と引き離されたアンジェリカの孤独と絶望、そして神秘的な奇蹟がプッチーニならではの豊饒な音楽で描かれる感動的な作品。女声ソリストと合唱による精緻なアンサンブル、アンジェリカと公爵夫人の息詰まるやり取り、そして絶望から死を選んだアンジェリカのドラマティックな表現に、劇場中が感動に包まれました。対する『子どもと魔法』はラヴェルが「ファンタジー・リリック」と呼んだ、子ども目線で子どもを取り巻く世界を描いた幻想オペラ。華麗な音楽で、子どもの心の冒険の軌跡が遊び心いっぱいに綴られました。

演出は緻密な読み込みに定評ある粟國淳。登場人物たちの個々の内面に着眼した人物描写や舞台機構を生かしたダイナミックな転換、遊び心あふれる趣向にもご注目ください。

指揮は国内きってのオペラ指揮者であり近代作品も得意とする沼尻竜典。アンジェリカ役にはドラマティックな役柄でスター街道を駆け上がるキアーラ・イゾットン、子ども役には同役を特に得意とするクロエ・ブリオ、公爵夫人/お母さん役には情熱を秘めた毅然とした表現が好評を博す齊藤純子が登場し、観客を大いにわかせました。"母と子の愛"をキーワードとした2つの作品を、ダブルビルならではの洒脱なコントラストとともにぜひお楽しみください。



配信について

配信期間

2023年12月16日(土)午前3時(15日(金)深夜)~2024年 6月15日(土)午後7時

配信メディア

Opera Vision 公式サイト

・新国立劇場ウェブサイト内 新国デジタルシアター

ご注意事項

・配信映像の録画・録音・画面撮影(スクリーンショット含む)は、劇場公演と同じく、禁止しています。また、動画共有サイトやソーシャルメディアへの無断転載は固くお断りいたします。適切にご視聴をお楽しみください。

・ご視聴にあたっての通信料は、お客様負担となります。


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作品について

オペラプッチーニ『修道女アンジェリカ』ラヴェル『子どもと魔法』〈新制作〉
<2023年10月4日上演>
『修道女アンジェリカ』:イタリア語上演/日本語、英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語字幕付
『子どもと魔法』   :フランス語上演/日本語、英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語字幕付

『修道女アンジェリカ』『子どもと魔法』トレーラー(2023年10月公演より)


スタッフ

指揮:沼尻竜典 
演出:粟國 淳

美術:横田あつみ
衣裳:増田恵美
照明:大島祐夫
振付:伊藤範子
合唱指揮:三澤洋史
児童合唱指導:掛江みどり


キャスト

『修道女アンジェリカ』
アンジェリカ:キアーラ・イゾットン
公爵夫人:齊藤純子
修道院長:塩崎めぐみ
修道女長:郷家暁子
修練女長:小林由佳
ジェノヴィエッファ:中村真紀
オスミーナ:伊藤 晴
ドルチーナ:今野沙知恵
看護係修道女:鈴木涼子
托鉢係修道女1:前川依子
托鉢係修道女2:岩本麻里
修練女:和田しほり
労働修道女1:福留なぎさ
労働修道女2:小酒部晶子

『子どもと魔法』
子ども:クロエ・ブリオ
お母さん:齊藤純子
肘掛椅子/木:田中大揮
安楽椅子/羊飼いの娘/ふくろう/こうもり:盛田麻央
柱時計/雄猫:河野鉄平
中国茶碗/とんぼ:十合翔子
火/お姫様/夜鳴き鶯:三宅理恵
羊飼いの少年/牝猫/りす:杉山由紀
ティーポット:濱松孝行
小さな老人/雨蛙:青地英幸


合唱:新国立劇場合唱団
児童合唱:世田谷ジュニア合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

ものがたり

【修道女アンジェリカ】

夕暮れの修道院。礼拝を終え修道女たちは、アンジェリカは面会を待ち続けているのだと噂する。ついに面会の夫人が訪れる。アンジェリカの叔母の公爵夫人である。夫人はアンジェリカの妹の結婚のため、両親の遺産を放棄し妹へ与えるようにと遺産整理の手続きに来たのだ。アンジェリカは未婚の母であり、そのために7年前、子どもと引き離され修道院へ入れられていた。妹の結婚を喜び、わが子の様子をおずおずと尋ねるアンジェリカに、公爵夫人が子どもは2年前に亡くなったと伝える。悲嘆にくれるアンジェリカ。深夜、アンジェリカはひっそりと薬草を煎じて毒薬を作り、息子のもとへ旅立とうと毒をあおるが、すぐに自殺の大罪を犯しては天国へ行けないことに気づき絶望する。罪を悔い、聖母マリアに祈りを捧げるアンジェリカに奇蹟が起こり、天使の合唱の中、アンジェリカは息子に導かれ息を引き取る。

【子どもと魔法】

宿題がいやで文句だらけの男の子。お母さんは怒って、味気ないパンと苦いお茶をおやつに置いていく。男の子はポットやカップを割ったり、リスや猫をいじめたり、暖炉をかき回してやかんを引っくり返したり、壁に落書きしたり、時計を壊したり本を破いたりと暴れ放題。すると椅子が動いて「乱暴な子はまっぴら」とダンスを始める。時計も怒るし、ポットもカップも脅かすし、「悪い子を焼き殺そう」と火まで追いかけてくる。壁紙から落書きの羊飼い、破れた本からおとぎ話のお姫様、そして教科書から算数の問題を出す妙なおじいさんまで登場。男の子が庭に逃げ出すと、寄り掛かった木が「お前がつけた傷だ」とうめくのでびっくり。トンボやこうもり、カエルと、いじめられた生き物たちも次々に集まる。男の子が思わず「ママ」と叫ぶと、生き物たちが仕返ししようと飛びかかって大騒ぎに。怪我してしまったリスを男の子が手当てすると、生き物たちは子どもの優しいところに気づいて、気を失った男の子を助けて家まで運んで「ママ」と声をかけ、「坊やはいい子になった」と言って消えていく。月明かりのもと、目を覚ました男の子が「ママ」と呼びかける。