2022/2023シーズン3本目の新制作、オペラ『リゴレット』が本日開幕しました。

『リゴレット』はヴェルディの数あるオペラの中でも屈指の人気作です。新国立劇場で上演されるのは10年ぶりとあって、新制作を楽しみにしていたオペラファンが集まる中、華やかに初日の幕が開きました。

エミリオ・サージ演出のプロダクションはビルバオ・オペラで初演された後各地で上演された人気の舞台で、シンプルながら美しい舞台装置・衣裳・照明により、人物の心理がクローズアップされていく秀逸な演出です。

イタリア・オペラ界の重鎮マウリツィオ・ベニーニが指揮台に立ち、出演者には世界最高峰のバリトンとして活躍中のロベルト・フロンターリをはじめ、ハスミック・トロシャン、イヴァン・アヨン・リヴァスと気鋭の人気キャストが来日。国内からも妻屋秀和、清水華澄、須藤慎吾ら実力派が揃いました。オーケストラピットの東京フィルハーモニー交響楽団もベニーニの指揮に応え、キャストとの掛け合いでも大いに聴かせて好演、男声だけの新国立劇場合唱団も廷臣たちや嵐のハミングの切れ味鋭い不気味な表現で存在感を発揮しました。

初日公演では、アリアや重唱のたびに盛大な拍手が送られ、幕が進むにつれ客席はますます熱気を帯びていきました。中でもリゴレットが復讐を誓う第２幕フィナーレ、そして第３幕の人気曲「女心の歌」では舞台が止まるほど、長い拍手が続きました。カーテンコールでも熱狂的な拍手と「ブラヴォー」の声が響き、オペラパレス中が大いに盛り上がりました。

公演は６月３日（土）まで。火花が散るような素晴らしいヴェルディをぜひお楽しみください。