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2022/2023シーズンオペラ 開幕公演『ジュリオ・チェーザレ』が初日を迎えました。

文化庁芸術祭主催公演・新国立劇場2022/2023シーズンオペラ『ジュリオ・チェーザレ』が初日を迎え、新国立劇場開場25周年となる2022/2023シーズンが開幕しました。

この公演は当初、大野和士芸術監督によるバロック・オペラシリーズ第1弾として2020年4月の上演が予定されていましたが、新型コロナウイルスの拡大により開幕間際に公演中止となったものです。この度公演中止から2年半の時を超え、当初予定されていた多くのメンバーが揃い、待ちに待った上演でシーズン開幕を飾ることとなりました。

オペラパレスにはパリ・オペラ座で初演されたロラン・ペリー演出の楽しく豪華な舞台が登場し、キャスト達が華やかに至芸を競いました。

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『ジュリオ・チェーザレ』第1幕より

ペリー版『ジュリオ・チェーザレ』は、博物館の古代エジプト文明コレクションの収蔵庫が舞台。博物館員達が働くバックヤードで古代の彫像たちが目を覚まし、地中海を股に掛けた武勇伝を思い思いに語りだすという設定。ユーモアいっぱいの展開に、人類の歴史や叡智に対する敬意が込められた、芸術讃歌ともいえる舞台です。

指揮にはバロック音楽の第一人者リナルド・アレッサンドリーニを迎え、タイトルロールにバロックを得意とするマリアンネ・ベアーテ・キーランドが来日、クレオパトラに森谷真理、その弟トロメーオに藤木大地、そして加納悦子、金子美香の国内トップメゾソプラノのコンビとスターが揃い、ヴィタリ・ユシュマノフ、村松稔之、駒田敏章と共に個性豊かな表現を繰り広げました。

オーケストラピットには東京フィルハーモニー交響楽団と共に通奏低音として桒形亜樹子(チェンバロ)、懸田貴嗣(チェロ)、上田朝子(テオルボ)、瀧井レオナルド(テオルボ)も入る豪華な布陣。マエストロ・アレッサンドリーニのタクトの下、繊細で典雅な音色と多彩で情感豊かな音楽を響かせ、客席から大きな拍手を受けていました。新国立劇場合唱団は舞台裏からの歌唱で、ヘンデルの壮麗な響きを一層華やかに彩りました。

芸術の豊かさと楽しさをしみじみと感じさせ、心から笑わせてくれる公演『ジュリオ・チェーザレ』は、まさにシーズンオープニングにふさわしい上質な作品となりました。

この後の公演は10月5日(水)1700、8日(土)14:00、10日(月・祝)14:00の3回です。どうぞお見逃しなく。


(舞台写真撮影:寺司正彦)

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『ジュリオ・チェーザレ』第1幕より
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『ジュリオ・チェーザレ』第2幕より
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『ジュリオ・チェーザレ』第3幕より