オペラ公演関連ニュース
子どもたちとアンドロイドが創る新しいオペラ『Super Angels スーパーエンジェル』リハーサル開始!
この夏、新国立劇場が舞台芸術の可能性を発信する特別企画、子どもたちとアンドロイドが創る新しいオペラ『Super Angels スーパーエンジェル』がついにリハーサル開始を迎えました。
『Super Angels スーパーエンジェル』は2020年夏の特別企画として計画された作品で、総合プロデュース・指揮を大野和士を務め、新国立劇場バレエ団(振付:貝川鐡夫、舞踊監修:大原永子)が参加、演出を小川絵梨子が務める、新国立劇場オペラ・舞踊・演劇三部門の連携企画です。2020年の公演は新型コロナウイルス感染症の影響で公演中止となりましたが、1年後のこの夏の上演が決まり、それぞれのセクションで準備が進められていました。
稽古初日にはまず、ソリストと助演の皆さんが稽古場に集まりリハーサルを開始。そして順次、新国立劇場合唱団、バレエダンサー、そして児童合唱の世田谷ジュニア合唱団、ホワイトハンドコーラスNIPPONもリハーサルに参加し、新しいオペラを少しずつ形にしています。『スーパーエンジェル』は、アンドロイドと子どもたちの心の交流を描いたSFタッチのオペラで、大人も子どもも、障害のある子どもたちもない子どもたちも一緒に、未来への共生のメッセージを歌う作品です。
稽古初日には、大野和士オペラ芸術監督、台本を執筆した島田雅彦さん、作曲を手掛けた渋谷慶一郎さん、総合舞台美術として装置・衣裳デザインと映像の監督を行っている針生康さんからあいさつがありました。
大野和士オペラ芸術監督より:
皆さん、『スーパーエンジェル』にご参加いただきありがとうございます。この『スーパーエンジェル』は、新国立劇場のオペラ部門、舞踊部門、演劇部門が一緒になって創る、初めてのプロダクションです。島田雅彦さんが「AIと人間の共生」ということをテーマに台本を書いてくださいました。オルタ3と子どもたちの合唱、色々な対話を重ねより良い未来を築いていくアキラとエリカという二人の主人公とオルタの三角関係が展開します。そして、いま私たちが経験している、色々な格差や貧困、ジェンダーの問題など、そういうことを飛び越えた新しい世界を開かなければ、ということが謳歌されるオペラを皆さんと創っていくのです。このプロダクションには、色々な分野の方が興味を持っています。今までオペラハウスに足を踏み入れたことがないような方たち、子どもたちやアニメ関係の方、芸能界の方など色々な方が来場されると聞いています。そんな方々に「オペラハウスの中で面白いことが起こっている」と知っていただく、いい機会になると思います。この企画を、未来の観客のためのプロダクションという風に思っていただけたらと思います。
島田雅彦さん(台本)より:
ちょっと前から、第四期AIブームが起きていると言われていて、AIを巡っては、人間の違和感とか、人間が職を追われるということが話題になっていましたが、『スーパーエンジェル』ではそことは少し違う視点で、AIとの共生を訴えたいなと思って書きました。
「多様性」というのは非常に今日的なテーマであります。それをどのようにして表現していくか、打ち出していくか、ということがこのプロダクションで問われていると思います。キャスティングや設定に、多様性のアピール、多様性の表現ということに関して多くの仕込みをしてありますので、皆さんの演技や理解によって、更なる多様性の表現に繋げていっていただけると大変うれしいし、成功へのショートカットであると思います。
渋谷慶一郎さん(作曲)より:
島田さんのテキストは非常に面白くて、未来なのか古代なのかちょっと分からないところがあります。曲も最初から最後までいって、最後にまた最初に戻るというようなことをやっています。物語が輪を描くようにという解釈です。実際の演奏でどのようにリアライズされて、どうリアルに力が出るのか楽しみにしています。
針生康さん(総合舞台美術)より:
とてもたくさんの方の思いが詰まった作品だと思いますので、最後まで丁寧に、音楽や物語を盛り上げていけるビジュアルを作っていきたいと思っています。今回来日はできませんでしたが、映像の視覚効果はロンドンにいらっしゃるWEiREDCOREさんにコラボしていただいていますので、そちらも楽しみにしていてください。
『Super Angels スーパーエンジェル』は8月21日(土)・22日(日)の2日間、オペラパレスで上演されます。
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