オペラ公演関連ニュース
オペラ『夏の夜の夢』はニューノーマル時代のリモート演出
オペラ『夏の夜の夢』は、ニューノーマル時代の新演出版で上演いたします。
来日して演出を行う予定だったレア・ハウスマンですが、『夏の夜の夢』公演実施の方法を模索する中で、早い段階から来日できない場合を見越し、リハーサルなどの公演準備はオンラインでできると提案がありました。この勇気ある提案に舞台美術・衣裳・照明のクリエイティブチームも賛同し、渡航の可能性を探る一方で、時間をかけてリモート演出の準備を進めてきたのです。

リハーサルはオンラインも活用してディクション指導と音楽稽古からスタート。稽古場にスタッフ・キャストが集まる立ち稽古に先立ち、レア・ハウスマンと日本側の演出スタッフとはハウスマン氏の演出プランをもとに、オンラインで打ち合わせを重ね、お互いの疑問や不安を払しょくしてリハーサルに臨みました。
立ち稽古では、演出チーフの澤田康子氏を核とした日本側の演出スタッフがリハーサルを進行。その様子はオンラインで公演関係者向けに常時ライブ配信しています。ハウスマン氏はこのリハーサルの映像を見た上で、日々のフィードバックをスタッフへ送ります。さらに、新国立劇場のリハーサル室とイギリスをオンラインで繋ぎ、リハーサルを見ながら出演者とライブでディスカッションを行うことも繰り返しました。ハウスマン氏は、テレビをモニターにリハーサル映像を見ながら、ディスカッションの際はパソコンでオンライン会議を繋ぐという2回線を駆使しています。
一方で美術、照明の各セクションも、クリエイティブチームと日本側スタッフとの間でそれぞれ打ち合わせを重ね、舞台の準備も進めてきました。
パック役で来日予定だったデイヴィッド・グリーヴス氏も、パック役の演技指導をオンラインで行っています。
オペラは、スタッフやキャストをあわせ百人を軽く超える関係者が創造に関わります。リハーサルでの密集を避けるため、海外勢に限らず、多くの公演関係者も現場への立ち入りを最小限とし、このオンライン配信を利用して準備してきました。
現在、公演準備は舞台稽古が進み、分業で準備してきた国内のスタッフ・キャストもいよいよ一堂に会し、総仕上げの段階に入ってきます。
新型コロナウイルス感染症の影響下で、世界各地の歌劇場も平常時とは異なるシーズン開幕を迎えています。新国立劇場では、この困難な条件下においても、ニューノーマル時代の新様式に沿いながら、オペラという舞台芸術の魅力をそのままお届けする道を選び、1作品、また1作品と、上演の可能性を探っています。
間もなく開幕を迎える新国立劇場オペラ2020/2021シーズンにどうぞご期待ください。
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