オペラ公演関連ニュース

「第4回 避難体験オペラコンサート」が開催されました

9月18日(水)、小劇場にて「第4回避難体験オペラコンサート」を実施いたしました。

このコンサートは「公演中に非常事態が発生した」という想定で、お客様には実際に客席からの避難をしていただく事を目的としたコンサートです。新国立劇場では、これまでにオペラパレスで2回(2014年、2017年)、中劇場で1回(2018年)実施いたしました。本年は、4回目として小劇場で初めての試みとなります。

当日は、生憎の雨となりましたが、一般応募のお客様と劇場・舞台関係者の約350名にお集まりいただき、実際の公演に近い客席の状態で実施することができました。

コンサートは、オペラアリアの演奏中に震度5の地震が発生、そして舞台袖で火災が起きたという想定で、すべてのお客様に避難場所に避難していただきました。

(オペラパレス、中劇場、小劇場でのそれぞれの避難方法についてはこちら)

避難完了後は、新国立劇場運営財団常務理事の中島豊より「小劇場は、新国立劇場内の3つの劇場のうち、客席の形状が公演ごとに異なるということもあり、最も避難経路の策定の難しい劇場ですが、おかげさまで良い試行になりました。」と、お客様のご協力に対して感謝を申し上げました後、コンサートを再開いたしました。

オペラ『椿姫』や『ラ・ボエーム』といった作品からのアリア、重唱、さらに日本歌曲を含むプログラムを、新国立劇場オペラ研修所の第20期生及び22期生による演奏でお楽しみいただきました。最後は『こうもり』より"シャンパンの歌"を全員で歌い上げ、無事に終了いたしました。

また、これまでの避難体験オペラコンサート同様、今回も国立研究開発法人 産業技術総合研究所にご協力いただきまして、避難・誘導の様子を計測いたしました。

今回の計測・分析の結果をふまえ、新国立劇場では引き続きお客様の安全のために可能な限りの備えを強化してまいります。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

産業技術総合研究所の協力によりセンサーやカメラで避難の様子を計測しました
開演前に劇場支配人よりご注意点などご説明


『清教徒』からのアリアと共に開演です
轟音と共に地震が発生!スタッフが出演者を誘導します


舞台上より状況をお知らせします
災害発生時は、あわてずに、まずは係員の指示に従ってご着席のままお待ちください


係員の誘導に従って避難いただきます
非常時、係員は目印としてケミカルライトを持っています


走らず、ゆっくり避難場所までお進みください
避難完了。雨天の中、ご協力いただきましてありがとうございました


休憩のち、公演再開。常務理事 中島豊よりご挨拶
『コジ・ファン・トゥッテ』から6重唱の様子。演技付きでお送りいたしました。


前半では災害発生のため中断した『椿姫』からのアリアを、再び演奏。
コンサートを最後までゆっくりお楽しみいただきました



上演プログラムは以下のとおりです。

1.ベッリーニ 『清教徒』より"ああ!永久に私はあなたを失ったのです"
2.ヴェルディ 『椿姫』より"不思議だわ...花から花へ"
(避難後、休憩)
3.トスティ   "Visione"
4.平井康三郎 "平城山"
5.モーツァルト 『コジ・ファン・トゥッテ』より"可愛いデスピーナちゃん"
6.オッフェンバック 『ホフマン物語』より"美しき愛の夜よ"
7.モーツァルト 『魔笛』より"パ・パ・パ"
8.プッチーニ  『ラ・ボエーム』より"もうミミは戻らない"
9.ヴェルディ 『椿姫』より"不思議だわ...花から花へ"
10. J.シュトラウスⅡ 『こうもり』より"シャンパンの歌"

出 演
新国立劇場オペラ研修所 第20期生、第22期生
ピアニスト 岩渕 慶子
第20期生
  • 一條翠葉

    (メゾソプラノ)

  • 斉藤真歩

    (ソプラノ)

  • 野町知弘

    (バリトン)

  • 濱松孝行

    (テノール)

  • 平野柚香

    (ソプラノ)

第22期生

  • 程 音聡

    (バリトン)

  • 鳥尾匠海

    (テノール)

  • 原田奈於

    (ソプラノ)

  • 森 翔梧

    (バリトン)

  • 湯浅貴斗

    (バス)

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