新国立劇場2020年特別企画 <子供たちとアンドロイドが創る新しいオペラ> 上演決定

新国立劇場は、世界の注目が東京に集まる2020年8月、日本の魅力を世界へ発信する絶好の機会として「特別企画」を企画することとしました。科学技術、共生といったテーマを織り込んだ新しい舞台作品を通じ、舞台芸術の可能性を広く世に問い、その魅力を国内外にアピールすべく、子供たちとアンドロイドが創る新しいオペラを上演します。

この特別企画は、新国立劇場オペラ芸術監督の大野和士が企画、作家の島田雅彦に台本を、初音ミク出演のオペラやアンドロイドオペラ「Scary Beauty」を手掛ける音楽家・渋谷慶一郎に作曲を委嘱。指揮は大野、演出は新国立劇場演劇芸術監督の小川絵梨子が務めます。

この新作オペラには人工生命搭載アンドロイド「オルタ3」が物語の核となる役で出演し、もう一方の核となる100人の子供たちによる合唱と相互に関わり合いながら歌い、演じて、アンドロイドと子供たちの友情のドラマを紡ぎます。子供たちと共に、プロのオペラ歌手と新国立劇場合唱団も出演、管弦楽は東京フィルハーモニー交響楽団が務めます。さらに、国内最高水準と評価される新国立劇場バレエ団も参加し、新国立劇場始まって以来の全ジャンルのコラボレーションが実現します。

未来への共生のメッセージが込められた全く新しいオペラの誕生の瞬間に、どうぞご期待ください。

・公演日程:2020年8月下旬

・会場:新国立劇場オペラパレス(東京都渋谷区 客席数約1800席)




人工生命×アンドロイド「オルタ3」


人間とのコミュニケーションの可能性を探るために開発された人工生命×アンドロイド「オルタ3」における共同研究プロジェクト。コミュニケーションを通じて世界を鮮やかに変えていくこと"を事業活動のミッションに抱え、オルタ3のシミュレーターを提供する「ミクシィ」、世界的なアンドロイド研究のパイオニアである「大阪大学石黒研究室(アンドロイド開発:小川浩平)」、ALife(人工生命)研究のパイオニアである「東京大学池上研究室」、本プロジェクトの実証実験の場を提供する「ワーナーミュージック・ジャパン」によって発足した。

オルタ3は、機械が露出したむき出しの体、性別や年齢を感じさせない顔といった特徴により、人の想像力を喚起し、これまでにない生命性を感じさせることを目指したアンドロイドロボットである。これまでにも、アンドロイドと人工生命に関する世界的に著名な大阪大学と東京大学の研究者が協力し、オルタを2台製作し研究を推進してきている。この研究の挑戦は、外界との相互作用により、ロボットが生命感を自ら獲得することができるかどうか、また、これを通じて、生命とは何かといった根源的な問いに答えることである。オルタ3では、これまでのオルタの開発、研究を通じて得られた知見を基に、より生命観を感じさせる振る舞いのモデル化に関する研究をさらに加速させることを目指す。また、本研究において最も大事な、外界との相互作用による動作生成技術をさらに推し進めるため、世界中あらゆる場所に運ぶことができ、より堅牢で継続的に使用可能になるようなデザインを目指した。これまでの「オルタ」2台とは異なり、オルタ3は、両目のカメラ、口からの発声機能といった、人間により近いセンサーシステムや表現能力に加え、歌唱のために口周りの表現力を向上。また、オルタ2よりも出力が強化されたことによって、身体表現の即時性の向上やダイナミックな動きが可能となった。また、誰でも分解・組み立てができ、飛行機輸送もできるポータビリティもオルタ3における進化の一つである。

プロジェクトには、オルタ3のコラボレートメンバーとして、音楽家でアンドロイド・オペラの発案者である渋谷慶一郎氏による『Scary Beauty(スケアリー・ビューティ)』の世界各地での公演、日本科学未来館キュレーター内田まほろ氏の企画による世界各地での展示、さらに世界中から東京に注目が集まる2020年8月には、新国立劇場が特別企画として上演する、世界的指揮者の大野和士氏、作家の島田雅彦氏、音楽家の渋谷慶一郎氏で共作する新作オペラに参加するなど、オルタ3の登場が人間とアンドロイドによる新たなコミュニケーションとアート、音楽、サイエンスの未来を示唆していくことになる。


人工生命×アンドロイド「オルタ3」4社共同プロジェクト始動

~人間とアンドロイドによる新たなコミュニケーションの未来を示唆~報道資料【PressRelease】alter3_190228.pdf





大野和士 ONO Kazushi(指揮、芸術監督)

大野和士

指揮者。東京藝術大学卒業。1987年トスカニーニ国際指揮者コンクール優勝。以後、世界各地でオペラ公演ならびにシンフォニーコンサートの客演で聴衆を魅了し続けている。ザグレブ・フィル音楽監督、バーデン州立歌劇場音楽総監督、ベルギー王立歌劇場(モネ劇場)音楽監督、国立リヨン歌劇場首席指揮者などを歴任。2015年から東京都交響楽団ならびにバルセロナ交響楽団音楽監督。2018年から新国立劇場オペラ芸術監督。新国立劇場2020年特別企画では、指揮も務める。



島田雅彦 SHIMADA Masahiko(台本)

島田雅彦

1984年東京外国語大学ロシア語学科卒。在学中の1983年『優しいサヨクのための嬉遊曲』でデビュー。主な作品に『自由死刑』、『退廃姉妹』(伊藤整文学賞)、『徒然王子』、『悪貨』、『虚人の星』(毎日出版文化賞)、『カタストロフ・マニア』、『絶望キャラメル』ほか多数。『忠臣蔵』、『Jr.バタフライ』のオペラ台本はじめ、多くの楽曲に詞を提供している。2011年より芥川賞選考委員。法政大学国際文化学部教授。新国立劇場2020年特別企画の台本を手掛ける。



渋谷慶一郎 SHIBUYA Keiichiro(作曲)

渋谷慶一郎

音楽家。東京芸術大学音楽学部作曲科卒業。2002年に音楽レーベルATAKを設立、国内外の先鋭的な電子音楽作品をリリースする。これまでに数多くの映画音楽やサウンドインスタレーションを発表。2012年には、初音ミク主演による世界初の映像とコンピュータ音響による人間不在のボーカロイド・オペラ「THE END」をYCAMで発表。同作品はパリ・シャトレ座での公演を皮切りに現在も世界中で公演が行われており現在も上演要請が絶えない。これまでにパレ・ド・トーキョーでアーティストの杉本博司、ロボット研究者の石黒浩と、パリ・オペラ座でエトワールのジェレミー・ベランガールとなど数多くのコラボレーションを発表。複雑系研究者の池上高志とは15年に及ぶノイズや立体音響による協働、開発を行なっている。現在は東京とパリを拠点に活動を展開し、新国立劇場2020年特別企画の作曲を行う。



小川絵梨子 OGAWA Eriko(演出)

小川絵梨子

2004年、アクターズスタジオ大学院演出部卒業。06~07年、平成17年度文化庁新進芸術家海外派遣制度研修生。最近の演出作品に『出口なし』『The Beauty Queen of Leenane』『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』『CRIMES OF THE HEART ―心の罪―』『死の舞踏/令嬢ジュリー』『ユビュ王』『夜想曲集』『RED』『スポケーンの左手』など。新国立劇場では『スカイライト』『1984』『マリアの首 ―幻に長崎を想う曲―』『星ノ数ホド』『OPUS/作品』の演出のほか、『ウィンズロウ・ボーイ』の翻訳も手掛けて、19年4月には『かもめ』の翻訳も担当する。18年9月より新国立劇場演劇芸術監督。



新国立劇場バレエ団 The National Ballet of Japan

新国立劇場バレエ団

新国立劇場の開場とともに、1997年発足。「白鳥の湖」などの古典作品から、アシュトン、マクミラン、バランシンといった振付家による20世紀の傑作、さらにはウィールドンなど現代振付家作品を加え、世界の一流バレエ団に比肩する幅広い作品をレパートリー化。日本最高峰のバレエ団として内外から高い評価を得ている。

新国立劇場バレエ団公式サイト https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/nbj/